FC2ブログ
QLOOKアクセス解析

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

書評:『自分のついた嘘を真実だと思い込む人』

jibunno
自分のついた噓を真実だと思い込む人

本書はSTAP細胞で巷を騒がせた小保方晴子氏を、早い段階から空想虚言症だと指摘したことで知られる精神科医が著した「嘘つき」の取扱書です。

ほとんどの方が実感していると思いますが、基本的に人は嘘をつくときに平静ではいられません。通常の場合、嘘をつく時には恐怖であったり、恥であったり、時には相手を出し抜いてやったという喜びの感情を伴います。
ところが中にはこのような感情を伴わずに嘘をつくことが出来る人もいると言います。
――――――――――――――――――――――――――――――
嘘をついていながら、相手を信用させることができるのは、一体なぜだろうか?観察していると、いくつかの特徴があることがわかる。まず、笑顔を絶やさず、目をさらさない。立て板に水のように流暢に話すし、質問に対しても即座に答えるので、聞いているほうは、まさか嘘なんかついていないだろうと受け止めてしまう。
何よりも重要なのは、だまそうという意図なんかみじんもないようにふるまえることだ。(中略)
嘘をついていながら、なぜそんなふうにふるまえるのかというと、自分の嘘を本当だと思い込んでいるからだ。これは空想虚言症の特徴で自分の願望を投影した空想を現実と混同していて、何が本当で何が嘘なのか、自分でも区別がつかなくなっているからこそ、嘘八百をよどみなく話せるのである。
『自分のついた嘘を真実だと思い込む人(P59)/片田珠美/ 朝日新聞出版』

――――――――――――――――――――――――――――――

これらは俗にサイコパスと呼ばれる人たちの特性に近いと考えられます。(参考記事
彼らにはさまざまな共通点があるのですが、特筆すべきは「他者の欲望」を察知する能力の高さだと言います。
――――――――――――――――――――――――――――――
佐村河内氏は、障害を持ちながら頑張っている人の物語に涙して「カタルシス(浄化)」を味わいたいという大衆の願望を(中略)敏感に感じ取って、それを満たそうとしたからこそ、心酔者を生み出すことができたのである。
『自分のついた嘘を真実だと思い込む人(P41)/片田珠美/ 朝日新聞出版』

――――――――――――――――――――――――――――――

つまり、嘘をつく者が存在するということはネガポジの関係で嘘を付かれる側の者がいるのです。というよりも心酔する者の存在が嘘をつくものの力をより一層強めている側面すらあるのです。
この心酔者のことを精神医学の世界ではイネイブラーと呼びます。
――――――――――――――――――――――――――――――
このように、嘘つきの周囲には、嘘をつき続けることを可能にし、ときには嘘に拍車をかけるイネイブラーが存在することが多い。一度イネイブラーになってしまうと、嘘の呪縛からなかなか抜け出せない。誰かを信じるということは、その人を信じている自分を信じることでもあるので、嘘の証拠を目の前に突きつけられても、なかなか受け入れられないからである。
『自分のついた嘘を真実だと思い込む人(P41)/片田珠美/ 朝日新聞出版』

――――――――――――――――――――――――――――――

既にお気づきのようにイネイブラーの心理はネットワークビジネスの悪徳グループのもとでマインドコントロール下にあるディストリビューターのそれと酷似します。(参考記事
もっとも、決して他人事だとすましてはいられません。精神科医である著者ですら虚言症の患者に騙されることがあると言います。これほどまでに嘘を完全に見抜くことは難しく、誰もが騙される可能性があるのです。

それではなぜ、私たちはこれほど簡単に騙されてしまうのでしょうか?
――――――――――――――――――――――――――――――
まず強調しておきたいのは、われわれの多くは実は真実なんか知りたくないということだ。洋服屋の試着室には、やせて見える鏡が用意されており、客は錯覚してつい洋服を買ってしまうという話に端的に示されているように、できれば真実を直視したくない。というのも、真実は往々にして苛酷なものだからである。
『自分のついた嘘を真実だと思い込む人(P70)/片田珠美/ 朝日新聞出版』

――――――――――――――――――――――――――――――

真実を直視したくないという心の隙が、時として束の間の夢を見続けることを選択するのです。
しかし、それは長くは続きません。
――――――――――――――――――――――――――――――
真実は苦いことが多い。だからこそ、できるだけ目をむけてみないようにしたいという気持ちはわからないではないが、自己欺瞞の生活を続けていると、そのツケを払わなければならない日がいずれやってくるのである。
『自分のついた嘘を真実だと思い込む人(P77)/片田珠美/ 朝日新聞出版』

――――――――――――――――――――――――――――――

今や現代を生き抜く上での必須科目ともいえる「嘘を見抜く技術」について考えるきっかけになる一冊です。


ポータルページに戻る
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ゆんた

Author:ゆんた
経営コンサルタントの管理人がニュースキン(Nu skin)やアムウェイ(Amway)を始めとするネットワークビジネス、マルチ商法、マルチレベルマーケティング、MLMの仕組みを解き明かします。

カテゴリ
最新コメント
最新記事
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。