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アメリカではMLM(ネットワークビジネス)はどのように見られているのか?

これまで3回に渡って英語版Wikipediaの“Multi-level marketing”の翻訳について紹介してきました。
マルチレベルマーケティング(MLM)とは何か①(英語版Wikipedia翻訳)
マルチレベルマーケティング(MLM)とは何か②(英語版Wikipedia翻訳)
マルチレベルマーケティング(MLM)とは何か③(英語版Wikipedia翻訳)

この記事ではその内容について見ていきたいと思いますが、その前に米国におけるMLMの現状を理解するにあたって欠かせない二つの重要なプレーヤーについて説明しておきます。

一つは米連邦取引委員会で通称FTC(Federal Trade Commission)と呼ばれる組織です。
米国における独占禁止法と消費者保護法を管轄する行政機関で、市場が競争原理に基づき運用されることを確保することを目的としています。日本の行政機関で言うところの、公正取引委員会と消費者庁を足したような組織だと考えられます。
もう一つが全米直販協会で通称DSA(Direct Selling Association)と呼ばれる団体です。
米国におけるMLMを中心とした業界団体で、アムウェイやニュースキン等、176の企業が会員として名を連ねています。会員企業および個人ディストリビューターの利益を守り、発展させることを目的とし、会員企業に対する倫理規定の策定や政府・行政機関に対するロビー活動を行っています。
この「消費者の安全を守る立場」と「業界の利益を守る立場」という二つの組織の間で鍔迫り合いが続けられてきたのが、アメリカにおけるMLM規制の歴史だと言えます。

さて、英語版Wikipediaにおける“Multi-level_marketing”の項目で目立って印象的な点は、55件もの注釈、つまり文献やニュース記事による根拠資料が提示されているという事です。このことから米国においてはMLMに関する議論がかなり蓄積されており、また記載内容の客観性を担保しようという意志が伺えます。ちなみに日本版Wikipediaの“連鎖販売取引”の項目では、記載内容に特に誤りや問題点は見受けられないものの、行政機関を中心とした12件のリンクが紹介されているのみで具体的な引用はほとんどされておらず、英語版に比べて内容の薄さは否めません。

具体的な議論の内容について見ていくと、
・問題の起きやすいビジネスとして常に批判の対象となっている。
・ネズミ講と類似している。
・買い込みが発生する。
・オーバートークが発生する。
・マインドコントロールのテクニックが使用される。
・人間関係が損なわれる。
・リーダー達がセミナーや教材販売で不当な利益を得ている。
・十分な収入を得られる確率が極めて低い
等、日本で問題となっている論点はほとんど取り上げられています。

一方で日本の状況とは異なる点もいくつかあります。
一つは価格操作(Price Fixing)の問題が取り上げられているという点です。小売業者が仕入れた商品を自由に価格設定できる、あるいは複数の業者が結託して価格を固定化しないというのは自由競争が成立する条件の一つでもあります。米国では価格操作という違法行為についてかなり厳しく取り締まっており、摘発されるMLM業者が後を絶たないようです。

二つ目が米国ではMLM方式を採用する企業が増えているという点です。1990年にはDSAの会員企業のうち25%がMLMを採用していましたが、1999年には77.3%、2009年には94.2%と増えています。
※この件については単純に米国でのMLM市場が拡大しているとは言い切れない節があり、別記事で取り上げることとします。

三つ目が業界団体であるDSAの影響力が強いという点です。2006年にFTCが「Business Opportunity Rule(※日本で言うところの特定商取引法のようなものだと考えられます)」を提示していますが、2008年に改定するに当たって、その適用範囲からMLM企業が除外されています。ディストリビューターの負担が重くなるという理由によるDSAのロビー活動が功を奏した為だと言われています。

また、四つ目として興味深い論点が取り上げられています。
それは市場社会におけるMLMの存在意義です。MLMはかつては経営資源の少ない中小企業が市場にアクセスする手法として有効性があったかもしれない。ところが顧客に直接情報提供ができ、販売できるインターネット取引の登場によって、その役割を失っているとするものです。これはかなり本質的な指摘であり、今後のMLM業界が避けて通れない課題と言えるでしょう。

いずれにしても、現在日本で行われているMLMをめぐる議論は米国ではほぼ経験済であり、MLMの仕組みが生み出す問題が国によって大きく変わるものではないことを示していると言っていいでしょう。
これらの議論の内容を踏まえておくことは、日本のMLM産業の将来を占う上でも極めて重要だと考えられます。


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Author:ゆんた
経営コンサルタントの管理人がニュースキン(Nu skin)やアムウェイ(Amway)を始めとするネットワークビジネス、マルチ商法、マルチレベルマーケティング、MLMの仕組みを解き明かします。

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