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アムウェイ社のトリプルXをめぐるオーバートーク

ネットワークビジネスはその仕組み上、意図しているかしていないかに関わらずオーバートークが発生しやすいと述べてきました。(参考記事

今回はオーバートークの典型的な事例として、アムウェイのハイピン(高タイトルのディストリビューター)である山崎義幸氏が自身のブログに投稿した「圧倒的すぎる.....」という記事を取り上げてみたいと思います。

この記事では以下の飲料品や食料品を取り上げながら、アムウェイ社が販売しているサプリメントであるトリプルXとの比較を試みています。
①野菜ジュース
②青汁
③他社マルチビタミン
④コンビニサラダ
⑤惣菜サラダ
⑥他社サプリメント
そして、「いずれの比較対象よりもアムウェイのトリプルXの方が圧倒的に優れている」と結論付けているのですが、その内容を検討してみると、どうもそうとは言い切れないのです。

まず、①野菜ジュース、②青汁、④コンビニサラダ、⑤惣菜サラダ、といった飲料品や食料品との比較ですが、資料内のスライドにも「ビタミン・ミネラルのみを比較しているため、含まれる成分の全てを比較しているわけではありません」と書いてあるようにビタミン・ミネラルの含有量だけの比較になっています。

しかし、そもそも人が食物から摂取するものはビタミンやミネラルに限りません。それ以外にも糖類、たんぱく質、脂質、繊維、水といった体に必要となる様々な成分を取り入れる必要があります。(参考URL
さらに言えば、摂取した際の舌触りや匂い、味といった感覚的な価値も含めた上で価格設定がされている訳です。

通常の飲料品や食品がそういった総合的な価値を提供しているのに対して、サプリメントはその一部を補完する役割を担います。もともとサプリメントという言葉の由来が補助食を意味する“dietary supplement”から来ていることからも分かります。

そういった側面を無視して、ビタミンとミネラルの含有量のみを取り上げ、トリプルXがジュースやサラダよりも優位であると主張することはフェアとは言えません。例えてみれば、八百屋さんがスーパーマーケットの野菜の品揃えの少なさを指摘して「勝った、勝った」と言い回っているのに等しいでしょう。
本来であれば同じく野菜を取り扱っている他の八百屋さんを比較対象とするべきなのです。

それでは本来の比較対象というべき他社のマルチビタミンやサプリメントに対しては、どのような論拠で優位性を展開しているのでしょうか。少なくとも飲料水や食料品に対しては、ビタミンとミネラルによる比較をしているのですから、他社のマルチビタミンやサプリメントに対しても同じようにビタミンとミネラルを比較項目とするのがスジというものです。

ところが同記事内のスライドを見れば分かるように③他社マルチビタミンに対しては“ファイトケミカル”、⑥他社サプリに対しては“コンドロイチン”と、それぞれたった一種類の栄養素による比較結果しか示していません。
これでは、たまたまトリプルXに“ファイトケミカル”と“コンドロイチン”の含有量が多いため比較の項目として選んだように見えてしまいます。先の例えに続けるならば、八百屋さんが他の八百屋さんと比較する際に品揃えに自信のあるカボチャの種類だけを取り上げて「勝っている」と主張するのと一緒でしょう。

このように都合よく比較対象に応じて比較する項目を変える情報操作の手法を見ていると、このスライドを作った人が意図的にミスリードを誘っている、すなわちオーバートークをしていると判断せざるを得ないのです。そして、それを信じたディストリビューター達は意図せずに、それを周りに伝えてしまうことになる訳です。
トリプルX自体は良質なサプリメントなのだろうと思いますが、このようなオーバートークが積み重なると、やがて市場の信頼を失い、本来の製品力に見合った評価すらも得ることが出来なくなる事をディストリビューター達は理解しておくべきでしょう。

追伸:
風の谷のウマシカさんから紹介して頂いたブログ記事に他社サプリとの比較表があり、参考になります。


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「朝日新聞」「STAP細胞」問題に見る嘘やオーバートークの経済性

朝日新聞の誤報問題が収束しそうにありません。
同社は東京電力福島第1原発の吉田昌郎元所長の証言をめぐる記事に誤りがあったとして、これを取り消しました。またいわゆる従軍慰安婦問題でも「慰安婦を強制連行したと主張した吉田清治氏(故人)の関連インタビューを裏付ける証拠はない」として該当記事を取り消しています。

この問題が深刻なのは単に誤報をしてしまったという事ではなく、これら一連の報道が捏造、すなわち意図的に作り上げた“嘘”だったのではないかという疑いを国民に持たれてしまっているという事にあります。人は過ちには寛大になれても嘘はなかなか許すことはできないものだからです。
今後、朝日新聞の購読者数は激減し、広告の掲載単価も下落するでしょう。間違いなく数年以内に経営危機に陥るはずです。

また、同様の例で記憶に新しいところではSTAP細胞の騒動がありました。
小保方晴子さんをリーダーとする理化学研究所の研究チームが、万能性を持った細胞を発見したと科学誌ネイチャーで発表したものの、その正当性に疑問が持たれ、撤回となったものです。現時点で再現実験も成功しておらず、これも単なる論文作成上の不備ではなく、捏造だったのではないかという疑いが持たれています。
理化学研究所のみならず日本の再生医療研究のブランドは地に堕ち、研究費も減額されることが予想されます。

これらの過ちが明るみに出た背景にはネットの普及・進展がありました。
ネット社会では、一度リリースした報道は、たとえリリース元が訂正・削除したとしてもあちこちにログとして残ります。一度提出された論文もネット上での手続きを踏めば簡単に入手することができます。その結果、発表内容の真偽や整合性等が不特定多数の者により徹底的に検証・分析されてしまうのです。上の2件の騒動もかなり初期の段階からネット民からの指摘があり、それに対してメディアが追随している形をとっているのです。

このような社会変化を感じられず、誤りを指摘された側が『ネットの噂は嘘ばかり』と否定しようとしても、具体的なデータを元にした論理的な議論の前には空しく響きます。少なくとも中立的立場の者であれば、匿名であろうがなかろうが客観的に評価・判断するのですから。

社会を揺るがしたこれらの二つの騒動から得られる教訓は“嘘やオーバートークは割に合わない”ということです。
もちろん今も昔も嘘やオーバートークが道徳的、場合によっては法律的に許されない行為であるということに違いはありませんが、それだけではそれらを排除・縮小させることはできません。道徳や法律を破り社会的制裁や罰則を受けることを数あるリスクの一つとしてしか受け止めない人に取っては、それ以上の利益を得る可能性があれば、嘘やオーバートークなど取り得る選択肢の一つでしか無いのですから。

しかし、道徳的・法律的な意味だけでなく、経済的な観点から言っても嘘やオーバートークにはデメリットが大きい、というふうに確実に変わってきたのがこの二件の騒動の意味するところなのです。経済的損失や制裁を与えることは道徳意識や遵法意識の薄い人や組織にも確実に効き目のある特効薬なのです。


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アムウェイ社のオーバートーク(ダイレクト・セリング)

アムウェイ社のオーバートーク(マルチ商法との違い)』では、アムウェイ社が自社のビジネスがマルチ商法であるかどうかについての明言を避けつつ、特定商取引法で規制される連鎖販売取引に当たるとしていることを見てきました。

続けて同社は連鎖販売取引について下記のような解釈を示しています。
――――――――――――――――――――――――――――――
「連鎖販売取引」とは個人を販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘するというかたちで、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・サービスの取引のことです。米国では、「ダイレクト・セリング」と呼ばれています。
アムウェイ社HPより

――――――――――――――――――――――――――――――

普通に英語を訳してみれば分かりますが、連鎖販売取引とダイレクト・セリングは違います。ダイレクト・セリングは、“Direct=直接”と“Selling=販売”という基礎的英単語の組み合わせであり、どう解釈しても“連鎖”という意味にはなりません。
同社が言うように連鎖販売取引にダイレクト・セリングの要素が全く無いと言うわけではありませんが、ダイレクト・セリングは訪問販売や電話勧誘販売、宣伝講習販売といったビジネスにも当てはまります。

どうしてこのような不自然な解釈を公式HPに載せてしまうのか不思議ではありますが、この疑問についてはいったん置いておいて、その後に続く『「MLM(マルチレベル・マーケティング)」とは?』というQ&Aを見ていきましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――
アムウェイは製品の販売方法として「ダイレクト・セリング」を、また報酬システムは「マルチレベル方式の報酬システム」を採用しています。これら2つの方式を取るビジネスは通常「MLM(マルチレベル・マーケティング)」と呼ばれています。
MLMでは、フェース・トゥ・フェースで一人ひとりのライフスタイルやニーズを考慮しながら、販売に十分な時間を掛ける方式を取ります。そのため、高機能製品や説明型製品の分野では、消費者から見ても便利な小売り形態といえます。MLMでは製品の販売、市場拡大(マーケティング)の手段としてリクルート(勧誘)が行われます。​
アムウェイ社HPより

――――――――――――――――――――――――――――――
アムウェイ社はここで自社のビジネスについて販売方法と報酬システムを分けて解説をしているのですが、この回答と先のQ&Aの回答を併せて分析すると、同社のスタンスが見えてきます。

つまり、『マルチ商法とはどう違うのか?』に対する問いには、
<アムウェイビジネス=ダイレクト・セリング>
と回答する一方で、『「MLM(マルチレベル・マーケティング)」とは?』の問いに対しては、
<アムウェイビジネス=ダイレクト・セリング+マルチレベル方式の報酬システム>
と回答をしているのです。

後者の回答で初めて触れているのが“マルチレベル方式の報酬システム”という要素です。
“マルチレベル方式の報酬システム”とは特定商取引法で定義づけられている“特定利益”に当たり、連鎖販売取引を特徴づける最も重要な要素になります(参考記事)。そしてディストリビューターが勧誘の際に強調する夢の実現(高収入や自由な時間の獲得)の根拠となる仕組みでもあります。
これは他のビジネスには見られない独自の仕組みであり、アムウェイビジネスおよびネットワークビジネスの本質そのものだと言えます。

ところがアムウェイ社自身はそのビジネスの本質がマルチレベルの報酬システムにあることを強調したく無いのです。なぜならこの仕組みが夢の実現の根拠である一方で、オーバートークやマインドコントロールを誘因する原因でもあることを自覚しているからです。そして、この仕組みこそが“マルチ商法=悪徳商法”というイメージを創り出していることを理解しているからです。

とは言え、法律上で規定されている“特定利益=マルチレベル方式の報酬システム”について全く触れない訳にもいきません。そこで、アムウェイビジネスはダイレクトセリングであるという唐突な主張を前面に打ち出した上で、マルチレベル方式による報酬システムについて後出しで説明を加えているのです。

いずれにしてもアムウェイ社は自他ともに認める連鎖販売取引の代表企業です。業界の悪評を自身の問題して受け入れ、取り組むべき立場にあります。
※そもそもこの業界の悪評をここまで全国区にしてしまったのは同社自身です。
そこを曖昧にさせたまま、自社をダイレクト・セリングだと言ってしまうようではディストリビューターのみならず会社自身がオーバートークを行う体質だと指摘されても仕方ないでしょう。


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アムウェイ社のオーバートーク(マルチ商法との違い)

ネットワークビジネス最大手であるアムウェイ社ですが、同社のHPには次のようなQ&Aがあります。
――――――――――――――――――――――――――――――
Q マルチ商法と何が違うのですか?
A いわゆる「マルチ商法」は造語のため定義付けされていませんが、一般に日本では「リクルート(勧誘)さえすれば収入が上がる」など過度な期待を抱かせるような説明が行われたり、粗悪な製品を販売するなどのトラブルを起こした場合、「悪質マルチ商法」「マルチまがい」とマスコミなどで報じられています。アムウェイ・ビジネスの形態は「特定商取引に関する法律」において「連鎖販売取引」として規定されており、同法律の規定にのっとってビジネス活動を行い、またディストリビューターへの指導も行っています。
アムウェイ社HPより

――――――――――――――――――――――――――――――

軽く読み過ごしそうになるこのQ&Aですが、実はこのブログでも何度か取り上げてきた「パーフェクトドリームのオーバートーク」を超える巧妙なオーバートークが駆使されています。

まず違和感を覚えるのが「マルチ商法とは何が違うのですか?」という遠回しな問いが設定されている点です。
マルチ商法は世間的なイメージが極めて悪く、アムウェイ社にとってはアムウェイビジネスとマルチ商法を同一視されることは何としても避けなければならない事態のはずです。そしてマルチ商法であることを否定するためにもっとも効果的な方法は「(アムウェイビジネスは)マルチ商法ですか?」という問いに対してイエス・ノーを回答するストレートなQ&Aを立てることです。

しかしアムウェイ社はこの問いを否定することが出来ないのです。
なぜなら、アムウェイビジネスは同社も認めているように特定商取引法で規定する連鎖販売取引に当たります。
そして連鎖販売取引はマルチ商法と同一なものだというのが世間一般のみならず、公的機関の認識でもあるからです。
(参考URL:経済産業省HP消費者庁HP

さらに、アムウェイ社自身が1997年に「アムウェイビジネスはマルチ商法である」とした実業界出版社に対する訴訟を起こしていて、当時の法律が入会金2万円未満のマルチ商法を規制していなかった点を根拠に勝訴したものの、現在では2万円未満でも規制対象になっているため、「アムウェイビジネスはマルチ商法である」であることを認識しているからです。

とは言え、現役のディストリビューターが日々の勧誘活動の中でもっとも投げかけられることの多いこの問い自体を避けて通るわけにはいきません。そこでアムウェイ社が苦肉の策として編み出したのがこの回答なのです。

回答の前段では、マルチ商法という言葉に明確な定義が無いことを示しながら、質問の範囲を一般的なマルチ商法から悪徳マルチに限定させています。これによって、マルチ商法とアムウェイは異なるビジネスであることを印象付けようとしています。
さらに、後段でアムウェイビジネスが特定商取引法の規定するところの連鎖販売取引であることを書いています。この書き振り自体にもアムウェイビジネスが法律で認められている正当性の高いビジネスのように誘導しようという意図が読み取れます(参考記事)が、それよりも注目すべきところがあります。

それは前段の文章と後段の文章に接続詞が無いことです。つまりこの二つの文章はお互いに関係性を持たない独立した文章なのです。しかし人間の認知というものは、このように順序立てて置かれた文章を読むと、「マルチ商法は一般的には悪徳商法のことを言っている。“しかし”アムウェイビジネスは法律に規定された合法なビジネスである。」という具合に無意識に接続詞を補い、関係性を読み取るようにできています。
もう一度回答文を最初から最後まで読み進めて頂ければ分かりますが、アムウェイ社は「マルチ商法と何が違うのですか?」という問いに対しては結局何も答えていないのです。

アムウェイ社が用いている手法を整理します。
・「(アムウェイビジネスは)マルチ商法ですか?」という問いではなく「マルチ商法とは何が違うのですか?」という問いを設定することでイエス・ノーによる直接的な回答を避ける。
・「マルチ商法」の定義を悪徳マルチに限定する。
・マルチ商法と対比しているかのような体を取りながら、アムウェイビジネスが連鎖販売取引であることを示す。
・上記の操作を通じて、「マルチ商法は一般的には悪徳商法のことを言っている。“しかし”アムウェイビジネスは法律に規定された合法なビジネスである。」という論理の流れをつくりだそうとしている。

このアムウェイ社の例からも分かるように、あからさまな嘘をつかなくても事実とは異なる認識へと誘導するオーバートークはできてしまうのです。

アムウェイ社のオーバートーク(ダイレクト・セリング)』に続きます。


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「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(1億円の貯金)

ここまでディストリビューターにとってのバイブル的書と言われている「パーフェクトドリーム」に見られるオーバートークについて5回に渡って検証してきました。
参考記事①参考記事②参考記事③参考記事④参考記事⑤
しかしこのブログでは同書を全否定しているわけではありません。
参考になったり勇気づけられる記載もあります。

次の引用文を見てみましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――
アフリカに、すごい部族がいるそうです。雨が降らず飢饉が起こったときに、ある踊りを踊ると必ず雨が降ってくる-そんな特殊な能力を持った部族がいるというのです。
(中略)
「一体それはどんな踊りなんだ?!」
誰でもそう思います。しかしその報告書を読み進めた人は、唖然としました。
「彼らは雨が降るまで踊り続ける」という報告書だったのです(笑)!
(中略)
「100%雨を降らす方法」は、「あなたが100%成功する方法」でもあります。
【なるまで辞めない】
まず、そう決めるのです。あなたがそれを決めた瞬間、未来のゴールまでの道が設定されます。
『パーフェクトドリーム(P109)/江頭俊文』

――――――――――――――――――――――――――――――
「目標を達成するまで辞めなければいつかは達成できる」
その通りだと思います。それが出来ない人がほとんどの中、目標に向かって諦めずに取り組む人は賞賛に値しますし、著者もそのような心構えでネットワークビジネスに取り組んだ事で成功者になったのかもしれません。

しかし一般論的に説得力のあるこの発言も、次のような記載を見ると途端に疑わしいものに変わってしまいます。
――――――――――――――――――――――――――――――
もともと人間は、今以上になりたいという遺伝子が組み込まれている生き物なのだそうです。
確かにあなたは、今は幸せなのでしょう。私はそれを否定するつもりはありません。
けれど、「今のままの幸せ」と、「今のままの幸せ+1億円の貯金」ではどちらがいいですか?
答えは簡単に出るはずです。
『パーフェクトドリーム(P116)/江頭俊文』

――――――――――――――――――――――――――――――
この後、MLMの素晴らしさについての説明が続くのですが、この辺りの記述は理解に苦しみます。
始めに書いてある遺伝子云々という発言の根拠も気にはなりますが、ここでは触れません。
それよりも見過ごすことが出来ないのが、当たり前のように並べられている「今のままの幸せ」と「今のままの幸せ+1億円」という比較です。
この記載ですと、大した努力をしなくても1億円の貯金を手に入れられるような印象を受けてしまいますが、そんな事はありません。
1億円の貯金を得るためには、前提として1億円以上の収入が必要です。同業他社に比べて報酬還元率が高いニュースキンでさえ、最高位であるブルーダイヤモンドを達成したものの中で、さらに四分の一の者しか1million(=1億2,000万円)の収入を達成できてないのです(参考記事)。また現役のトップリーダーでさえ年収は2,000万円程度だと考えられます(参考記事)。そこから生活費や経費を除くとしたらどれほどの割合の方が1億円の貯金をすることができるのでしょうか。

しかもほとんど方は専業として取り組むのでしょうから、これまでの仕事や人間関係などもすっかり変わってしまうでしょう。ネットワークビジネスに取り組んで「今のままの幸せ」を維持したまま1億円の貯金を得られる可能性は皆無に近いのではないかと思われます。
そのような現実がある中、「今のままの幸せ+1億円の貯金」と言い切ってしまうのは、特定商取引法で言うところの不実の告知に当たる法律違反に他なりません。

この例からも分かるように、ネットワークビジネスのリーダー達の発言を聞く際には、自己啓発的な一般論とネットワークビジネスの仕組みに関わる具体論を分けて捉え、冷静に分析・判断する心構えが必要になるのです。


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「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(勧誘の方法)

引き続きディストリビューターにとってのバイブル的書である「パーフェクトドリーム」に含まれる巧妙なオーバートークについて見ていきます。
参考記事①参考記事②参考記事③参考記事④

同書では勧誘の方法について次のような記載があります。
――――――――――――――――――――――――――――――
なぜアポイントが壁になるのか?
それはリクルートを一緒にしようとするからです。
アポイントとリクルートは全く別の行為ですが、ほとんどの人が一緒にやろうとして失敗します。
アポイントは、会いたいから場所と時間を決めること。
ビジネスの内容を伝えてエンロールするのがリクルート。
これを一緒にはできないし、まして電話でとなるとベテランでもほとんど人ができません。
そんな難しいことを素人がやろうとしてもそりゃストレスですよね?
基本は「会いたい」です。
それが不自然なら「大事な話がある」でしょう。
それが通用しないのなら「○○というMLMの話がある」と言います。
(中略)
いずれにしても、「会って話がしたいことがあるんだけど、いつ、どこにしようか?」―これがアポイントであることを、肝に銘じましょう。
『パーフェクトドリーム(P100)/江頭俊文』

――――――――――――――――――――――――――――――
営業ノウハウの一般論としては正しいのかもしれません。
しかし、同書はネットワークビジネス、すなわち連鎖販売取引に関するノウハウ書、自己啓発書です。連鎖販売取引は特定商取引法によって規制されおり、勧誘の仕方についても法律に基づいたルールがあります。

特定商取引法では「氏名等の明示義務」として以下のように規定しています。
――――――――――――――――――――――――――――――
統括者、勧誘者、又は一般連鎖販売業者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者の氏名又は名称、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品又は役務の種類を明らかにしなければならない。
「特定商取引法第三十三条の二(連鎖販売取引における氏名等の明示)」
――――――――――――――――――――――――――――――
条文独特の言い回しのため分かりづらいところがあるかもしれませんが、簡単に言うと、
・勧誘を行う前に
 ①自己の氏名または名称
 ②連鎖販売取引(MLM、ネットワークビジネス等)についての勧誘であること
 ③その勧誘で扱う商品の種類
・以上3点を明らかにする義務があり、
・これに違反した場合には行政指導や業務停止命令の対象となる。
ということです。
つまり同書で進めている勧誘方法(「会って話がしたいことがあるんだけど、いつ、どこにしようか?」等)は完全に法律違反なのです。

ちなみにネットワークビジネス大手のニューウェイズジャパンはこの「指名等の明示義務」に違反したことを理由の一つとして、業務停止命令を受け、これをきっかけとして業績が大きく低迷することとなりました。
――――――――――――――――――――――――――――――
同社の勧誘者は、その勧誘に際して「事業立ち上げの話がある」「すごくためになる話があるから来ないか」「久しぶりに食事をしないか。もうかる仕事の話もしたいから」等と言うのみで、同社の名称、勧誘する目的である旨及びその勧誘に係る商品について明らかにせずに勧誘を行っていました。
参考URL

――――――――――――――――――――――――――――――

特定商取引法についてネットワークビジネスの成功者が知らないわけはありません。というよりも知らないですませられる事ではありません。成功者は今後この業界に参入にしようとする人たちに対して、その魅力を伝えると同時に正しい方法・道筋を示すべき立場です。
これまで指摘してきたオーバートークは論理展開に不備はありますが法律違反とまでは言い切れない種類のものでした。しかし明確に法律違反に当たる方法を紹介している勧誘についての記述は同書最大のオーバートークだと断言していいでしょう。


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「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(友だちを無くさない)

これまで三回に渡って『パーフェクトドリーム』のオーバートークについて分析してきました。(参考記事①参考記事②参考記事③
引き続き同書の中の「友だちを無くさない」という記載について見ていきます。

――――――――――――――――――――――――――――――
MLMをやると友だちをなくすのではないか、と思っている人も少なくないようです。なくすというより、けむたがれるといったほうが適切かもしれません。
MLMをやると、商品を売りつけようとしたり、しつこくセミナーに誘ったりするようになる。すると急に相手が電話に出なくなったり、自分を敬遠するようになるのではないか」という不安です。
<友だちに→商品を→売りつける>ことで収入が発生するという考え方ならば、その不安はあたっているかもしれません。しかし、私はそうは思っていません。
私は、<友だちに→収入を取らせて→収入になる>と思っているからです。
これは言葉の遊びではなく、MLMで成功するうえで、非常に重要な考え方といえます。
『パーフェクトドリーム(P100)/江頭俊文』

――――――――――――――――――――――――――――――
まず疑問なのですが、筆者はこの文章の中で一般消費者(ニュースキンで言うと愛用者)へ製品を販売しようとする行為を否定していることに気づいているのでしょうか。この理屈ですと商品を売ろうとすることで友だちを無くしたり、けむたがれることを認めてしまっています。
現在、多くのMLMではビジネスメンバーだけでなく、一般消費者への製品販売を平行して行うことができます。というよりも一般消費者として製品の価値を知った者がディストリビューターになり知り合いに口コミをしていく、というのがこのビジネスのオーソドックスな流れです。
<友だちに→収入を取らせて→収入になる>という一般常識を覆した風の理屈を持ち出す事で、ネットワークビジネスの基本的な要素を否定してしまっているのです。

――――――――――――――――――――――――――――――
<友だちに→収入を取らせる>ことを考えると、当然、相手への関わり方も違ってきます。
商品を進めるのではなく、大きな流通網を築くためにビジネスパートナーを探すことになるのです。
商品を進めてくる相手は、自分からお金を奪っていく人です。一方、ビジネスパートナーは、自分のお財布にお金を入れてくれる人です。
どちらの人と仲よくしたいか、決まりきっています。相手にとってあなたが収入をもたらしてくれる人であれば、友だちをなくすことはありません。だからあなたが「お財布のお金を増やしてくれる人」になれば、どんどん友だちが増えていくサイクルが生まれてくるのです。
『パーフェクトドリーム(P101)/江頭俊文』

――――――――――――――――――――――――――――――
書いていることは間違っていません。確かに一般論として収入を取らせることができれば、友だちは無くさないでしょう。しかしここではネットワークビジネスで収入を取らせることがどれだけ大変なことなのかについて全く触れていません。様々な統計データを見るに、どんなに甘く見積もっても90%の人は収入をとることができません。ネットワークビジネスのコンサルティングをしている横浜計算センターの調査では94%以上が無報酬となっています。
※下記は調査結果について掲載した中日新聞の記事(2002年11月28日)です。
chunichishinbun

仮に自分が直接勧誘した友人が全て収入をとることが出来たとしても、友だちの友だちという具合に母数が多くなれば統計通りの収入分布に近づくものです。
収入を取らせることのできない大部分の友だちの存在に触れないのはフェアではありません。

結局、この箇所も「MLMは友だちを無くさないという」という結論ありきで理屈を組み立てているので、少し検証すると矛盾の出るオーバートークを展開してしまっています。
このような破綻した理屈を持ち出すのであれば「成功のためなら友だちを無くすことなど気にしてはいけない」と言い切ってしまった方がまだ説得力がありますし、誠実な態度というものでしょう。


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「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(ネットワークビジネスは平等)

「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(ネズミ講との違い①)』と『「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(ネズミ講との違い②)』では、同書がネットワークビジネスの仕組みに関する説明にオーバートークを使っていることを指摘しました。

実はこの本ではネットワークビジネスの重要な性質である破綻の必然性について触れているページが一ヶ所だけあります。
以下はネットワークビジネスの仕組みを説明する際に、レストランの口コミがシングルレベルからマルチレベルに拡大していく様子を例に挙げた後に続く文章です。
――――――――――――――――――――――――――――――
しかし、これが無限に続くとシステムが破綻します。そこで、収入が取れる範囲を「何レベル」というように制限したり、平等性を保つためパーセントを変えたりして、いつから始めても努力次第で収入が取れるように多層化(システム化)することにしました。
これが、MLM(マルチ・レベル・マーケティング)です。
『パーフェクトドリーム(P54)/江頭俊文』

――――――――――――――――――――――――――――――
かなりあっさりではありますが、システムが破綻するという事を述べています。
しかしその直後の“そこで、収入が取れる範囲を「何レベル」というように制限したり”の部分が間違っています。収入が取れる範囲を制限したとしても、一人一人のディストリビューターが得られる報酬が制限されるだけで、ネットワークビジネスのシステム全体が持つ性質には変わりはありません。収入が取れる範囲を制限しているのは、報酬総額を管理したいという主宰会社のマネジメント都合によるものです。

その後に続く“平等性を保つためパーセントを変えたりして”の箇所も説明不足でよく分かりませんが、おそらく多くのネットワークビジネス主宰会社が採用しているユニレベルという報酬プランについての説明だと思います。
ユニレベルの説明①ユニレベルの説明②
ユニレベルの詳細は上記のURLを参考にして頂ければと思いますが、ダウンラインの実績に対する報酬率を設定し、分かり易くシンプルで初心者への取っつきやすさを特徴としている報酬プランです。アムウェイが採用しているブレイクアウェイ方式に対抗する報酬プランとして位置づけられてはいますが、平等性を保つような仕組みではありません。

この後、再び報酬について触れている箇所があります。
――――――――――――――――――――――――――――――
多くの場合、報酬額は製品の販売額によって算出されますが、ディストリビューターは自分自身の消費・販売額だけではなく、自分がリクルートしたディストリビューターから始まる下位全員の消費・販売額が実績に反映される仕組みになっています。
『パーフェクトドリーム(P58)/江頭俊文』

――――――――――――――――――――――――――――――
ここで完全な矛盾が生じてしまいました。
先に引用した箇所で“収入が取れる範囲を「何レベル」と制限したり”と書いているにもかかわらず、その4ページ後に“自分がリクルートしたディストリビューターから始まる下位全員の消費・販売額が実績に反映される”と言ってしまっているのです。レベルを制限することと下位“全員”の実績が反映されることはまるっきり反対の仕組みであり、両立はしません。

これらのオーバートークの意図も明確です。
ネットワークビジネスは上だけが儲かるとか早い者勝ちだという指摘に対して、いつスタートしても成功するチャンスのある平等性の高いビジネスだという反論をしたいのです。
これもかなり無理のある説明なのですが、何となく根拠らしきものがあると筋道だった説明のように思えてしまうのが人間の思考の危ういところです。


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「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(ネズミ講との違い②)

「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(ネズミ講との違い①)』ではディストリビューターのバイブル的書である「パーフェクトドリーム」ではネズミ講とマルチ商法を比較する上で大切な点に触れていないことを指摘しました。

この後、同書では次のように続きます。
――――――――――――――――――――――――――――――
経済用語では、ヒエラルキーモデルの反対語がネットワーキングです。
ネットワーキング、つまりMLMは、上位の人が儲かるものでもなければ、被害者も基本的には出ません(筆者はすべてのMLMを知っているわけではないので、もしあったらごめんなさい。また、入会の規定などで商品の購入が義務づけられているものは該当しません。私がここで対象としているのは、現在日本で上位30社にあたる会社という設定でお話しています。)。
この点が、MLMとネズミ講がかけ離れている点です。
『パーフェクトドリーム(P62)/江頭俊文』

――――――――――――――――――――――――――――――
まず、“経済用語では、ヒエラルキーモデルの反対語がネットワーキングです”という箇所の根拠が示されていないのが気になりますが、そういうものだと言う事にしておきます。おそらく階層(ピラミッド)型組織とネットワーク型組織が対比されるという事を言っているのでしょう。
それを受けて“ネットワーキング、つまりMLMは~”といきなり話を進めていっていますが、そもそもネットワークビジネスというのは社会的批判を受けていたマルチ商法の業界関係者がイメージアップを狙いとして自ら付けた名称です。つまり単なる記号であって、実際にネットワーク型組織であるかどうかは別の話です。

ネットワーク型組織の定義にはいろいろあるものの「組織階層が少なく、自律した意思決定を行え、メンバーが相互に作用しあう組織」というふうに要約できるかと思います。(参考URL①参考URL②
そういう点で検討すると、ネットワークビジネスにはアップライン、ダウンラインという言葉からも分かるように何段にも渡る階層があります。また「成功者やアップラインのいう事を素直に聞け」という決まり文句があるほど上の人間の影響力は強く、自律した意志決定や相互作用などはありません。
ネットワークビジネスはその名前とは裏腹にネットワーク型組織ではなく、階層型組織なのです。

整理します。
同書ではネットワークビジネスとネズミ講の違いを説明するにあたって、
・ネズミ講の本質的問題点である破綻の必然性に触れていない。
・ネズミ講とネットワークビジネスの本質的共通点である子会員から親会員への利益配分に触れていない。
・階層構造があるというだけの大雑把な括りでネズミ講と会社組織を類似のものとしている。
・ネットワークビジネスとネットワーク型組織を名称だけで同一のものとしている。
という論理展開の不備や飛躍を重ねています。

筆者の意図は明白です。ネットワークビジネスをネズミ講と対極に位置づけようとする一方で、ネズミ講と会社組織を近い存在のように思わせたいのです。かなり無理のある説明ではあることは間違い無いのですが、同書の高い評価を考えると、巧妙なレトリックで説得力を持たせることに成功したオーバートークの一例だと言えるでしょう。


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「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(ネズミ講との違い①)

パーフェクトドリーム/江頭俊文』は外資系ネットワークビジネス2社で世界最高ランクを二度に渡って達成した著者が書いたディストリビューターのバイブル的な位置付けの本です。

確かに自己啓発的な意味では勇気づけられるところが多く、参考になる部分もあります。
しかしネットワークビジネスの仕組みに関わる箇所を詳細に分析すると、この本にはかなりのオーバートークが含まれていると言わざるを得ません。それもかなり巧妙なテクニックが用いられています。
何回かに渡ってこの本に書かれているオーバートークを分析していきます。

まずMLM(ネットワークビジネス)とネズミ講との違いについて以下のように説明しています。
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ここで、MLMとネズミ講の違いを簡単に説明しておきましょう。
最大の違いは、ネズミ講には商品がなく、法的には禁止されている点です。目立ってきたら摘発されるので、比較的短命で終わります。ネズミ講は上位の人が儲かり、一方で多くの被害者が出るしくみです。
『パーフェクトドリーム(P61)/江頭俊文』

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一見、問題の無い記述のように見えます。実際一つ一つの文章単位で間違っているところはありません。ところが、この説明だとネズミ講が法的に禁止されている理由や短命で終わる理由が分かりません。
この文章の流れに従うと、
「法律で禁止されている」→「摘発される」→「短命で終わる」
と言うふうに法律で禁止されていることがネズミ講が短命で終わる原因のように読めてしまいます。
しかし、実際はそうではなくて、
「破綻する構造になっている」→「犠牲者を生む」→「法律で禁止されている」→「摘発される」→「短命で終わる」
というのが正しい因果関係に沿った説明です。
ネズミ講の本質的な問題点である破綻の必然性に全く触れられていないのです。
※実は別の箇所で簡単に触れているところがあるのですが、そこには別のオーバートークが含まれているのでまたの機会に分析します。

また、同書では続いて次のような説明もしています。
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このネズミ講と会社組織には、構造がヒエラルキーモデル(階層性)になっているという共通項があります。
『パーフェクトドリーム(P62)/江頭俊文』

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これも間違っている訳ではありません。確かに両者とも階層構造を持っています。
しかしこの比較にはほとんど意味がありません。なぜなら階層構造はほとんどあらゆる人間の集団が持つ性質だからです。この程度の共通項を取り上げるくらいであれば、ネズミ講とMLMが双方とも「子会員から親会員へ利益が配分される組織」であるという本質的な部分に触れるべきでしょう。
参考URL

なぜこのように重要な視点を欠いた中途半端な説明になってしまうのでしょうか。
それはより大きなオーバートークへの布石なのだと考えられます。
「パーフェクトドリーム」のオーバートーク(ネズミ講との違い②)』につづきます。


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コストの把握は経営者の大事な仕事

「リスクは無い」は本当か?』では、「リスクは無い」という言葉が、コストについて考えることを避けさせるためのすり替えであることを指摘しました。

個人事業主一般に言えることですが、特にネットワークビジネスのディストリビューターはコスト意識が希薄です。銀行口座へ振込まれた「ボーナス」を「手取りの給料」と同じように、全て使えるお金と考えてしまいがちですが、そこからコストを差し引かなければ収入になりません。

ネットワークビジネスでは大まかに言って以下のようなコストがかかります。
・通信費
・飲食費
・交通費
・名刺代
・教材費
・セミナー費
・研修費
・サンプル代、等々

これらのコストを全て把握した上で収入を確定し、そこから所得税、住民税等の税金や国民健康保険料、国民年金等を支払わなければならないのです。

また、税務上での経費にはなりませんが、個人事業主としての自己マネジメントのために把握しておいた方がいいコストがあります。それは自分自身への人件費です。
このコストは外部へ支払をするわけではないために、どうしても計算に入れず、忘れがちになります。しかし、このコストがしっかり回収できなければ、文字通りただ働きです。事業が成り立っているどうかを検証するためには自分の時間単価を目安として設定しておくことが経営者マインドでしょう。

これら諸々のコストに言及せず、リスクは無いと言ってしまうのはビジネスへの参入を不当に低く見せようとするためのオーバートークだと言わざるを得ないでしょう。


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「リスクは無い」は本当か?

ネットワークビジネスの勧誘の決まり文句に「リスクは(ほとんど)無い」というものがあります。
具体的には「このビジネスは入会金○○円から始められるからリスクは無い」という使われ方をします。

この内容を検討する前にまずリスクという言葉の正確な意味を確認しておきましょう。
リスクという言葉はいろいろな場面で使われますが、事業を始めるにあたって用いられる際には“損失を被る可能性”という意味を持ちます(参考URL)。ポイントとなる言葉は“可能性”です。確実に分かっている損失ではなく、発生するかもしれない損失のことです。

そういう意味では「入会金」はリスクではありません。事業を始めるにあたって確実に必要になる費用、つまりコストです。法律用語では特定負担と言いますが、勧誘にあたっては明確に説明しなければならない項目の一つです。

ここで先ほどの勧誘文句のリスクという言葉をコストに置き換えると面白いことがおきます。
「入会金○○円から始められるからコストはかからない」
途端にこの言葉が信用できないものに聞こえてきませんか。

「いやいや他にもコストはあるだろう。勧誘する際にはお茶代とか電話代がかかるし、セミナーにも頻繁に出なきゃいけないって話だから参加費や交通費もかかるだろう。それにこのための活動に費やす時間もコストと考えられないか?」
等々と普通に考えるでしょう。

リスクという言葉は抽象度が高い言葉のため、その内容を具体的にイメージし辛く、勧誘者からそれらしい説明を与えられると、そのまま受け入れがちになります。
一方、コストという言葉は一般にも馴染みがあり、経費という日本語にもスムーズに置き換えができます。頭の中で具体的な内容を思い浮かべながら勧誘者の発言を検証できるのです。

意識しているか、していないかは人それぞれでしょうが、この言葉を用いるディストリビューター達は両方の言葉の特性を踏まえた上で、巧妙な意味のすり替え、つまりオーバートークを行っているのです。

コストの把握は経営者の大事な仕事』に続きます。


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なぜオーバートークが頻発するのか?

ニュースキンに限らず、ネットワークビジネスではオーバートークと呼ばれる営業トークが頻発します。
オーバートークとはディストリビューターが教育や勧誘を行う際に、都合よく事実を誇張・捏造したり、論理を飛躍させることです。
例えば「今度発売される新商品はガンも治すことができるから、必ず大ヒットする」といったものが典型的です。

しかし、オーバートークを語っているディストリビューターのほとんどは悪い事(法律違反も含む)をしているという自覚が無いと思われます。
ネットワークビジネスには自覚の無いままにオーバートークを誘発させてしまう組織構造があるのです。

それはネットワークビジネスが個人事業主の集まりでありながら、情報伝達が上下関係に限定されるという事です。そのため、責任を問われることの無いコミュニケーションが各々の階層で繰り返されるのです。(参考記事『ネットワークビジネスの仕組み②』)
簡単に言うと伝言ゲームが起きやすいのです。

仮にあるアップラインがダウンラインへの教育やABC勧誘で軽い気持ちで10%だけオーバートークを混ぜたとしましょう。
そうすると、それ以降、その階層以下のダウンラインの間では常に10%のオーバートークが混ざった状態がデフォルトとなります。
なぜならネットワークビジネスではアップラインの言う事は絶対であり、アップラインをそっくり真似することが成功への近道だと考えられているからです。

この状態でさらに誰かが10%だけオーバートークを使ったとしましょう。
そうすると、正しい内容はさらに減少し、90%×90%=81%が正しい内容として残ります。

同じように4回のオーバートークが繰り返されると、
90%×90%×90%×90%≒65.6%
三分の二が正しく、三分の一が間違っている状態となります。

7回のオーバートークが繰り返されると、
90%×90%×90%×90%×90%×90%×90%≒47.8%
半分が正しく、残り半分が間違っている状態となります。

10回のオーバートークが繰り返されると、
90%×90%×90%×90%×90%×90%×90%×90%×90%×90%≒34.9%
三分の一が正しく、三分の二が間違っている状態となります。

このように少しだけ(10%)のオーバートークが積み重なることで、
いつの間にか言っていることが嘘だらけの悪徳グループになってしまうのがネットワークビジネスの仕組みの持つ怖さなのです。

以降のこのコーナーではオーバートークの実例を挙げながら、その誤りを指摘していきます。


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ゆんた

Author:ゆんた
経営コンサルタントの管理人がニュースキン(Nu skin)やアムウェイ(Amway)を始めとするネットワークビジネス、マルチ商法、マルチレベルマーケティング、MLMの仕組みを解き明かします。

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