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ネットワークビジネスは現代の奴隷制度

現役のディストリビューターの方々にとっては抵抗のある表現になってしまうかもしれませんが、ネットワークビジネスは奴隷制度に極めて近い仕組みを持っています。

奴隷制度というと、鎖でつながれた裸の男達が鞭で打たれながら重い荷物を運んでいる。そのようなイメージを持たれるかもしれません。
しかし、そういった表面的な装いを取り払って経済的側面、つまり一つのビジネスとして割り切って見る限り、奴隷制度の本質は“搾取”、すなわち「他人の労働の成果を無償で手に入れる」というところにあります。

そういう意味では、ネットワークビジネスは“特定利益”を成立要件としており、それはすなわち「ダウンラインの労働の成果を無償で自分の報酬とする仕組み」に他なりません。もちろん当のダウンラインは無償で働いているつもりは無いでしょうし、マーケティングプラン上も報酬を得る道筋は示されています。しかし実際のところほとんどのディストリビューター達は必要経費も賄えないほどの僅かな報酬しか得ることが出来ていません(参考URL参考記事)。その意味では彼らは実質的には無償で労働力を提供している存在なのです。

ネットワークビジネスが労働の搾取という性質を持っている事は、このビジネスがひとつの理想形として「権利収入≒不労所得」を謳っていることからも伺う事ができます。自分自身が働かなくても収入が入ってくる状態というのは、自分以外の誰かが自分のために働いてくれているという事に他ならず、搾取を前提としたビジネスモデルだと言っていいのです。

尚、この手の話題ではしばしば会社員が引き合いに出され、経営者に搾取される奴隷的な存在として例えられることがあります。つまり搾取や奴隷制度というのは社会に普遍的に存在する現象だとして相対化させようとする議論です。
しかし会社員は労働の対価として相応の賃金を得ており、少なくとも無償で働く事はありません。
それに、あまりにも賃金が低かったり、サービス残業を強いられるなどして労働が無償に近づいているような会社があれば、“ブラック企業”等と呼ばれ社会的批判や制裁を受けるのですから、決して普遍的ではなく例外的な状態だと言えるでしょう。

もちろん奴隷制度とネットワークビジネスでは違うところもあります。
一つ考えられるのは収入逆転の可能性の有無です。
奴隷制度では、奴隷達が頂点にいる王や貴族達を追い落として富の所有を逆転させる事は反乱でも起こして現行の仕組みを崩さない限り不可能です。一方、ネットワークビジネスでは現行の仕組みを維持した上で報酬金額を逆転させる事は少なくとも理屈の上では可能です。
しかし、アムウェイやニュースキンでは十年以上にも渡って同じ顔ぶれが成功者として君臨しており、新たな成功者がほとんど生まれていないことが指摘されています。すでに市場は飽和しており、たとえ今から当時の中島薫氏の3倍努力したとしても同程度の成功を収めることは不可能でしょう。少なくとも日本国内に限れば、大枠の上下関係は固定しており、大幅な収入逆転は無いと考える方が現実的なのです。

奴隷制度とネットワークビジネスの根本的な違いは搾取の手段です。
奴隷制度が武力や暴力といった強制的な力を背景にして他人を働かせるのに対して、ネットワークビジネスでは夢や理想を提示することで自発的に働かせます。つまり、他人を無償で働かせるのに、鞭を振るうのか、飴を与えるのかの違いがあるわけです。ここにいわゆるマインドコントロールと呼ばれる巧妙なテクニックが用いられるのです。

ネットワークビジネスは強制的に労働力を搾取することが許されなくなった現代社会における奴隷ビジネスの進化した形態だと言ってよいでしょう。


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ネットワークビジネス最大のコスト

ネットワークビジネスの活動には様々なコストが伴います。
すぐに思いつくものだけでも通信費、飲食費、交通費、名刺代、教材費、セミナー費、研修費、サンプル代などを挙げることができるでしょう。

ネットワークビジネスが事業として成立するかを考える際に、これらのコストについて検討しておくのはもちろん重要です。しかし、この種の検討が行われる際、ほとんどの場合において見過ごされている最大のコストがあります。
それは自分自身の人件費です。

ネットワークビジネスのディストリビューターは個人事業主です。別の言い方をすれば社員1名からなる会社の経営者です。
したがって、経営者がコスト計算をする際に従業員の人件費を含めるのと同じように、ディストリビューターは自分自身の人件費をコストとして認識しなければなりません。

それでは、具体的にどんな活動を人件費として捉える必要があるのでしょうか。
真っ先に思いつくのは勧誘活動や小売活動にかける時間でしょう。直接会って商談する時間はもちろん事、リストアップやアポ取りも含みます。また、ダウンラインや愛用者が出来ればそのフォローにも時間を割かれるでしょう。
また、セミナーにかける時間も結局のところ勧誘や小売の成功率を上げるために行われる活動であり、人件費としてみなすべきです。
さらに、各種のパーティやバーベキュー、ボーリングなどのレクリエーション活動でも友人や知人などを誘うなどして、さりげなく勧誘につなげていきます。つまり実質的には勧誘の延長線上にある活動であり、ここにも人件費がかかっていると考えるべきでしょう。

こうして一つ一つの活動を積み重ねてみると意外なほど高額な人件費、すなわちコストが掛かっていることに気づくはずです。
例えば週に10時間の勧誘・フォロー、6時間のセミナー、3時間のレクリエーションに時間を費やしているとすれば、月に80時間ほどになり、時給1500円換算でいくと12万円のコストがかかることになります。

逆の言い方をすると、いかにこの種の人件費を意識させないようにするかが、上に立つ者の力量だとも言えるのです。
例えば研修にかける時間であったら自分の成長に対する投資だという事を強調したり、パーティなどは大切な仲間との交流の機会だとみなすように仕向けるのです。

もちろんその理屈にも一理あるのですが、ビジネスとして取り組む以上、経営者の視点を持ち、それらのコストに見合ったリターンを得ているのか冷静に考えてみることが大切なのです。


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成功者たちのビジネスモデル

ネットワークビジネスで成功できる確率が極めて低いことは何度かこのブログでも示してきました。(参考記事

また、たとえ一時的に成功を収めたとしても、それが続く保証はありません。ましてや自動的に収入を得られる権利収入と言われる状態を達成できることはほとんど無いと考えた方がいいでしょう。
なぜなら、ネットワークビジネスの仕組み上、どれほど大規模な組織を構築したとしても、末端会員を補充し続けない限りは、組織の崩壊がいずれ自分自身にまで及んでくるからです。(参考記事

したがって成功者たちは組織を維持するための日々の勧誘活動と同時に、ネットワークビジネスの主宰会社から支払われる報酬以外の収入源を確保しようとします。つまり副業を持つわけです。
ディストリビューターは個人事業主、すなわち経営者なのですから、当然行うべきリスクヘッジだと言ってもいいかもしれません。

その際の定石とも言える打ち手が、既に確立した“成功者”というイメージを最大限利用することです。
一般論で言っても、これから成功したいと願う人は既に成功した人からノウハウを得たいと考えます。ましてやネットワークビジネスはもともと経営を知らない人がほとんどな訳ですから、藁にもすがるような気持ちで成功するためのノウハウを得たいと切望するでしょう。
ネットワークビジネスの成功者の立場からすれば、この気持ちを利用することが最も効率的なのです。

典型的な収入源がセミナーの登壇者になって謝礼をもらうことです。
もちろんセミナーに登壇することによって聴講者がやる気になり、自分のダウンラインになるという可能性にも期待しているのでしょうが、単純に講演1回で数万円の収入が得られるという実利も大きい訳です。そしてセミナーの様子をビデオに撮って、後日あらためてDVDとして売ることが出来れば二度おいしいビジネスになります。

さらに成功者として有名になれば、自己啓発書を発行することも考えられます。
その際には必ずしもネットワークビジネスでの成功に限定せず、場合によってはネットワークビジネスでの成功には一切触れずに、一般的な成功法則について説くものが多いようです。
アムウェイの山崎拓巳などはこの分野を積極的に開拓している典型だと言えるでしょう。

さらに成功への思いがエスカレートすると、明文化されたノウハウだけでなく、思考方法やオーラのようなものまで吸収したいと考えはじめます。
そうなると成功者と一緒にいる機会を増やそうと考えるようになり、成功者が主宰するパーティーやバーベキュー、海外旅行に参加するようになります。
ここで実費に相応のマージンを載せた会費を徴収することでさらに収入を得ることができるわけです。

このように主宰会社からの報酬だけでなく、ダウンラインから直接得られる収入を併せて経営を成り立たせるのがネットワークビジネスの成功者の基本的なビジネスモデルだと言っていいでしょう。


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ネットワークビジネス問題の全体像

ネットワークビジネスは問題が起きやすい取引形態であると公的に見做され、特定商取引法の規制下にあります。
その根本的な原因はネットワークビジネス(=連鎖販売取引)の成立要件である特定利益(参考記事)の存在にあります。
つまりダウンラインを増やすことによって報酬が増える仕組みを採用しているため、ネズミ算式のメンバー拡大を止めることができず、そこから様々な問題を引き起こすのです。

このブログではネットワークビジネスが問題を引き起こす理由について、様々な側面から断片的に言及してきましたが、その全体の因果関係を整理したのが下の図になります。

全体像


特定利益の存在が販売員や主宰会社の行動に影響を及ぼし、少々入り組んだ因果を経て、①破綻する販売員の増加、②宗教的なマインドコントロール、③頻発するオーバートーク、④割高な製品の販売、といった問題を引き起こします。

つまり、ネットワークビジネスというビジネスモデルを採用している限り、プランに如何に関わらず、常に問題を引き起こす可能性があると考えるべきなのです。


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小売利益と特定利益

ネットワークビジネスが法律で規制される理由②』では特定利益がネットワークビジネスの中核となる要素であることを示しましたが、通常の小売・物販業のように小売利益による収入を得ることもできます。

ネットワークビジネスで得られる収入には小売利益と特定利益が混在しているため、しばしば議論が混乱します。
ここで改めて小売利益と特定利益の関係を整理してみましょう。

小売利益とは、小売業者や販売代理店(=ディストリビューター)自らが消費者に商品を販売することで得られるマージン、すなわち販売額と仕入額の差額のことを言います。これは全ての小売業の基本です。
一方で特定利益とは、ダウンラインによってもたらされる収入です。具体的には「ダウンラインの販売額の○○%を得られる」や「ダウンラインが○○人になったらボーナスが出る」といった形を取ります。

通常の小売・物販業において小売業者や代理店は小売利益を主たる収入源としています。小売・物販業には百貨店、スーパー、コンビニ、専門店など、様々な業態がありますが、これらはもちろん合法です。
そもそも、日本では憲法第22条「職業選択の自由」があり、その中で営業の自由も保証されています。つまり基本的に誰がどんな商売を営むのも自由なのですから、わざわざ合法であると断る必要もありません。
一方でネズミ講では参加者の収入源は新規参加者が支払う金品となります。これはそのまま特定利益のことを示していると考えて差し支えありません。そしてネズミ講は指数計算的に組織を拡大させていく必要があることから、破綻が確実であり、違法とされています。自覚があろうが無かろうが関わるだけで犯罪となってしまいます。

ネットワークビジネスでディストリビューターが得られる収入は小売利益と特定利益の両方を含みます。
ネットワークビジネスは小売業の一種ですから、必ず小売利益が存在します。一方で特定商取引法での定義上、特定利益も必ず含みます。
つまり、通常の商取引と違法行為の両方の性質を持っているのがネットワークビジネスなのです。
ですから「ネットワークビジネスは合法である」というような発言がたまに見られますが、違法行為に近い性質を持った商取引であるが故に「規制されている」と表現するのが適切です。

通常の商取引と違法行為、どちらの色合いが濃いかは、主宰会社による報酬プランの設定やグループの方針によって決まります。
小売利益の比重が高くなるような報酬プランであり、活動方針であれば、通常の小売・物販業に近くなり、特定利益が引き起こす問題を低減・回避できる可能性が高くなります。
一方で特定利益を比重が高くなるような報酬プランであり、活動方針であれば、ネズミ講に近づいていき、買い込み連鎖やオーバートーク等の問題を起こしやすくなります。

この関係を示したのが下の図になります。
小売利益・特定利益

ネットワークビジネスについて正確に理解するためには、特定利益を理解し、小売利益と分けて分析することが必要なのです。


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ネットワークビジネスと名言②

ネットワークビジネスと名言①』では、ネットワークビジネスで使われる名言がリーダー達がダウンラインをコントロールするためのツールだという考え方を示しました。

それではアムウェイのトップリーダーであり、ネットワークビジネス界における最大の成功者である中島薫の名言を実際に分析してみましょう。アムウェイの他のリーダー達は元より、他社のリーダー達も同氏に強い影響を受け、ほとんど同じような名言を口にしていますので、これ以上無い分析対象だと言えるでしょう。

【中島薫】 心が変わる名言集 【Amway】 - NAVER まとめ』では、24個の名言が紹介されています。
いろいろなメッセージを伝えているように見えますが、大きく4つに分類されます。
それは「夢(金)を持て」「チャンスを掴め」「努力せよ」「人間性を磨け」です。

順番に見ていきましょう。
ネットワークビジネスに限らず、新しく何かを始めようとする際には欲求や動機が必要です。ましてや少なからぬ労力や投資が必要となるビジネスへの参入であればなおさらです。そこで、ビジネスメンバーとなるように誘いをかけようとすれば、ターゲットとする人の欲求を刺激し、強化するためのメッセージが必要になります。それが「夢(金)を持て」に分類される名言です。
※尚、中島氏は使っていませんが、将来への不安感に訴えて動機づけるという手法もよく用いられます。

首尾よく「夢(金)を持ちたい」と動機づけることに成功したら、その次に必要となるのが手段です。大概の夢はお金と時間があれば実現することができます。そこで権利収入、すなわち継続的な収入と自由な時間の獲得を謳い文句とするネットワークビジネスを手段として提示するわけです。そしてここで提示されたチャンスを逃がさず、ビジネスを始めるように促す機能を持つのが「チャンスを掴め」に分類される名言になります。

さて、ディストリビューターとしてビジネスを始めたとしても成功したと言えるほどの結果を残せる人は極めて少数です。ほとんどのディストリビューターは経費を補てんできる収入すらも手に入れることができません。
しかし収入が無いということで、辞められてしまっては組織が崩壊してしまい、ネットワークビジネスは成立しません。したがって成功できない人に向けたフォローが重要になってくるのです。
それが「努力せよ」と「人間性を磨け」に分類される名言です。

これらの名言を繰り返し聞かされることで、自分がうまくいかないのは努力が足りないからではないか、あるいは人間性を磨ききれてないのではないか、といった心理状態になります。そして、結果が出るまでもう少しがんばってみよう、という気になってくる訳です(参考記事)。
また、後者の「人間性を磨け」には、たとえ金銭的には成功できていなくても、人間的に磨かれる限りはこの組織にいる意味があると思わせる効果もあります(参考記事)。

以上を整理したのが、次の図になります。
名言分類表


繰り返しになりますが、ネットワークビジネスのリーダー達が語る名言にはそれぞれ明確な役割があります。
大きく分けるとそれは新規ディストリビューターの獲得と既存ディストリビューターの維持です。この二つは報酬の源となる傘下組織の拡大・維持を意味し、ネットワークビジネスで成功するための必須条件です。つまり、名言には成功者の成功を維持させるための機能があるのです。


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ネットワークビジネスと名言①

ネットワークビジネスのリーダー達はしばしば名言を語ります。
アムウェイの成功者である中島薫の名言もネット上にあふれています。
――――――――――――――――――――――――――――――
・お金に左右されない人間性を養おう。
・「大変」とは大きく変わること!
・何かアクションを起こさない限り、あなたの夢は永遠のテ-マで終わってしまいます。
・毎日がチャンス。
・人間というのは、空を飛ぶ翼がないために神様が想像力という翼をくれました。
・目の前のスープがおしいかどうか知るためには、とりあえず飲んでみることである。
・本気でなければ、それはただの「ごっこ」。
・あなたの未来は、今何をしているかで決まる。
・「できない」と思うのは、単なる錯覚。
・死ぬこと以外はかすり傷!
【中島薫】 心が変わる名言集 【Amway】 - NAVER まとめ

――――――――――――――――――――――――――――――

なぜネットワークビジネスのリーダー達は好んで名言を用いるのでしょうか。

上記の中島薫の発言にも表れていますが、多くの名言に見られる特徴の一つに「論理的な形式を取っていない」という事が挙げられます。
論理とは「あなたはコーラばかり飲んでいる。だから近いうちに太る。」という具合に根拠と結論という二つの要素が一対になったものです。

発言内容が論理的な形式を持っていれば、その内容について議論をすることができます。
用いられている根拠の正当性、もしくは根拠と結論の結びつき(=推論)の妥当性を問うことで、結論が正しいかどうかを議論することができます。
例で言うと、“飲んでいるのは普通のコーラでなく、ダイエットコーラだ”という具合に根拠を否定したり、“コーラを飲んでもその分運動しているから太ることは無い”という具合に推論を否定することで結論の真偽を議論することができます。もちろんそこから再度、根拠や推論について問いかけることもできます。
議論できる形式を持っているというのは、物事の理解を深めるための前提なのです。

一方でほとんどの名言にある要素は結論だけです。
その結論がどのような論理の積み重ねで生まれてきたのかは省略されます。歴史的な偉人や成功者が言っていることなので結論が正しい事は自明とされ、根拠などは求められないのです。
また名言は私達の感情を揺さぶります。怠けたい時には気持ちを奮い立たせてくれますし、落ち込んだ時には勇気を与えてくれます。

“論理が無く、感情に訴える”まさにこの点で、名言はネットワークビジネスと相性がいいツールなのです。
ネットワークビジネスでは論理的に考えることは望まれません。ディストリビューターに求められるのは成功者の言う事を素直に聞くことです。
素直に聞く人が成功しやすいというのもあるのかもしれませんが、リーダー達の視点に立つことで、もっと重要な理由が見えてきます。
それは、ディストリビューターが論理的に考え始めると、成功する確率、アップの発言の整合性、法律順守等々、いくらでも疑問点が出てくることが確実だからです。
リーダー達の成功のためには一定のダウンライン数を維持することは必須ですので、論理的な検討によってビジネスを躊躇されたり、辞められてしまうと、自身の成功が揺らいでしまいます。下手に考えることなどせずに、ひたすらモチベーションを高めて、ビジネスに励んでもらった方が都合がいいのです。

つまり成功を維持したいリーダー達にとって、名言はダウンラインをコントロールするための有効なツールであると言えるのです。
ネットワークビジネスと名言②』へ続きます。


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良心の壁を超える仕組み

ネットワークビジネスで成功するために必要なこと』では、「ダウンラインの失敗に対して責任を取る必要が無い」というこのビジネスの特性を活かすことが成功への近道だと指摘しました。
ところがそれは口で言うほど簡単な事ではありません。

なぜなら、たとえ責任を“とる”必要はないと分かってはいても、責任を“感じて”しまうのが人情だからです。たとえば自分の勧誘によってダウンラインになった友人が、勧めに従ってビジネスをスタートしたとしましょう。そして一生懸命ビジネスに励んだもののうまく行かず、支出が膨らみ自己破産をしてしまったとします(参考記事)。
ネットワークビジネスでは一定の割合でそのような人が発生しますが、これをダウンラインの自己責任だと割り切って、自分自身の責任を感じない人はそう多くはないでしょう。いわゆる良心というものが咎めるからです。

とは言え、一々そんな具合に責任を感じていると、勧誘にブレーキがかかり、営業効率が落ち、成功から遠のきます。また、そういう志向を持つディストリビューターが増えると組織全体の成長が鈍り、リーダー達の成功や主宰会社の業績が維持できなくなります。
そこでネットワークビジネス組織は長い歴史の中で、“良心の壁”を乗り越えやすくするための以下のような仕組み(思考方法や文化)を、おそらくは自然発生的に築いてきているのです。

①自己責任意識を植え付ける。
ネットワークビジネスでは、ディストリビューターは事業に対する権限と責任を持つ経営者であると見做されます。現実にはアップラインや成功者の影響が強すぎて、自由な権限を持っているとは言い難いのですが、この点を強調されることにより「たとえビジネスで失敗したとしても誰のせいにも出来ないし、話すことでも無い。」という意識を植え付けられます。

②ポジティブ思考を推奨する。
ネットワークビジネスではポジティブ思考が推奨されます。常にポジティブに思考するということは、裏を返せば、苦しく辛いことがあってもそれを押し殺すことを意味します。したがってこの思考を持つ組織の下では、周囲の人間が抱える悩みや問題に気が付きにくくなります。例えば、ひょっとしたら買い込みで苦しんでいるかもしれないダウンラインの状況に気が付くことが出来ないのです。

③辞めたメンバーを失敗者と見做す。
ネットワークビジネスでは辞めたメンバーを失敗者と見做します。そしてマイナスの影響を受けるというような理由によって、接触を取ることが避けられます。ですから、どのような事情や心境の変化によって辞めることになったのか本当のところを現役メンバーが知ることはほとんどありません。

これらはいずれも、ネットワークビジネスに携わることによって生じるマイナスの感情や情報が表面化することを未然に防ぐ仕組みなのです。つまり、良心が咎めるきっかけを極力排除することで、ディストリビューターはダウンラインに対する責任を感じること無く、勧誘活動に励むことができるのです。


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【補足】ネットワークビジネスで成功するために必要なこと

ネットワークビジネスで成功するために必要なこと』では、「ダウンラインの成功可能性など気にせずに、多数の人を勧誘し、彼らにビジネスを長期間継続させること」が成功への近道であるとしました。

このように言い切ってしまうと、中には次のような疑問を持つ人がいるかもしれません。
「ネットワークビジネスで成功するためポイントは“努力を続けること”や“コミュニケーションスキルを強化すること”等、他にもいろいろある」と。

確かに“努力を続けること”や“コミュニケーションスキルを強化すること”等も成功するために必要なことでしょう。しかしそれはどんな世界で成功しようとしても言えることです。より重要なのは、その世界独自の成功要因を見極めて、そこで優位性を築くことなのです。

この成功要因のことを経営論の世界では、KSF(Key Success Factor)と言います。
参考URL①参考URL②

例えばサッカーの世界で成功しようとすれば、体力やメンタルの強さが当然必要になるでしょう。しかしそれはどんなスポーツ競技でも言える一般論であり、独自の成功要因であるとは言えません。
成功要因を見極めるためには、サッカーという競技の特性に着目する必要があります。
それは“足だけでボールに触れる”という他の競技には見られない独自性です。つまり“ボールを足でコントロールする技術”を持っておくことが、他の要因よりも重要なのです。

ちなみに南米にはブラジルを始めサッカーの強豪国が多くありますが、その理由の一つに多くの選手達が幼少の頃からフットサルに親しんでいることがあると言われています。フットサルはサッカーと類似した“足だけでボールに触れる”競技ですが、参加人数が少ないため個々人がボールに触れる時間が多くなります。ここで“ボールを足でコントロールする技術”即ちKSFを徹底的に鍛えた少年たちがプロを目指すので、南米には強豪国が多いというわけです。

同じようにネットワークビジネスの世界で考えると、“ダウンラインの責任を取らずに済む”という特性を踏まえた「ダウンラインの成功可能性など気にせずに、多数の人を勧誘し、彼らにビジネスを長期間継続させること」が成功要因になるのです。

ネットワークビジネスをめぐる議論では、得てして一般論が持ち出されます。
より実りある議論を行うためには、一般論を超えて、ネットワークビジネスの仕組みの独自性に焦点を当てる必要があるのです(参考記事)。


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ネットワークビジネスで成功するために必要なこと

リーダーが傘下のメンバーの責任を取らずにすむ(参考記事)、ネットワークビジネスにおけるこの仕組みが運用されるとどのような事が起きるでしょうか。

この仕組みを有効に活用できる、賢く勤勉なディストリビューターがリーダーとなり、成功する可能性が高いでしょう。
“有効に活用”というのは、ダウンラインの成功可能性など気にせずに、多数の人を勧誘し、彼らにビジネスを長期間継続させることに励むことです。

そもそも誰がこのビジネスで成功できるかを前もって知ることはできません。内向的でコミュニケーション能力に欠けるように見えた人が、大化けして巨大な組織を構築するかもしれません。逆に大企業のエース営業マンが全く成果を残せないかもしれません。
また、たとえ成功する見込みの無いダウンラインであっても、ビジネスを続けて(ニュースキンで言うとエグゼクティブを継続)さえもらえればタイトル維持にプラスになりますし、少なくとも愛用者として続けてもらえれば売上の維持につながります。
ですから「自分が誘おうとしている人やダウンラインが成功できるか?」等と躊躇することは時間とエネルギーのムダです。ビジネスの効率を下げることになり、自身が成功から遠のいてしまうだけです。
結果として傘下のダウンラインが失敗して、ビジネスを辞めることになったとしても、勧誘する以前と同じくお金の絡まない関係に戻るだけですからそこにリスクはありません。

そんな具合に思考できる人が成功できるでしょう。

ネットワークビジネスのリーダー達が概して自信にあふれている理由の一つはそこにあります。ダウンラインの失敗に対して責任を取る必要が無いので、いくらでも強気のスタンスをとることができるのです。

むしろリーダー達が気を付けるべきなのは、特定商取引法や薬事法へ抵触してしまうことです。
これらの関連法規に違反すれば、罰金や刑事罰を受けることもあり、これまで築いてきた資産を一気に失ってしまうことになりますので、かなりの注意を払う必要があります。
とは言え、“断言せずに示唆にとどめる”、“実行はダウンラインにさせる”等、いくつかのポイントさえ押さえれば、自分自身のリスクは最小化できます。主宰会社にとってみてもグループのリーダーは多額の売上を確保するためのパートナーとも言える存在ですから、よほどのNGワードを公の場で口にしない限り、注意されたり、ましてや除名されることなどありません。

どんな世界にでも言えることですが、ゲームのルールを知り尽くし、それを最大限活かせる者が成功に近づくのです。
補足記事があります。


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ネットワークビジネスにおける権限と責任

ネットワークビジネスの世界では、主宰会社の意図とは独立して自発的なグループが生まれ、リーダー(成功者)とフォロワー(ダウンライン)で構成される実質的な組織体として機能します。ニュースキンでも、ギャグナー、ホットスタッフクラブ、トラストといったグループが有名です。

これらのネットワークビジネスのグループには、他のビジネス組織と比較したときに極めて顕著な特徴があります。
それはリーダーに与えられる“権限”と“責任”のバランスが極めて偏っているということです。通常のビジネスではリーダーに与えられる“権限”と“責任”は比例します。この2つの要素は表裏一体であるというのが組織論の原則です。

実際、通常のビジネスでは組織のピラミッドを登れば登るほど、リーダーは大きな“権限”を持ちます。そしてその権限を行使して、企業を成功へと導くべく意思決定や指示・命令を繰り返します。しかし、業績を出せなかったり、傘下の部下が法律違反などの不祥事を犯したりすれば、経営能力や管理能力を問われます。そして人事という仕組みによって、降格や更迭という形で“責任”をとります。
もちろん結果を出せないにも関わらず責任を負うことをうまく逃れる人もいますが、それは個々人の世渡りの技術の話であって、仕組みの上では免責されているわけではありません。

それに対してネットワークビジネスでは、リーダー達はダウンラインが活動した売上に応じて報酬を得ることができるのはもちろんの事、“成功者からのアドバイス”という形でダウンラインに対して強力な権限を行使することができます。それは「成功者の言う事を素直に聞け」という決まり文句に象徴されます(参考記事)。
ネットワークビジネスでは、このようにリーダー達に一方的な権限が与えられる一方で、組織運営の失敗に対してリーダーが責任を取る仕組みがありません。傘下のダウンラインがいくら借金をしようが、法律違反をして除名されようが、責任を取らされることはありません。
このブログでは失敗談を中心にディストリビューター達のビジネス体験を紹介していますが(参考記事)、それに対してリーダー達が責任を取るというような事はありません。

なぜなら全てのディストリビューターは個人事業主であり、そこで生じる問題や結果は全て自己責任だからです。たとえ成功者の影響を受けて、冷静な判断を失った状態での意思決定・行動だったとしても、その結果は個々人の責任になるのです。

このような特殊な仕組みの下で組織が運営されると、どのような事が起きるのでしょうか。
ネットワークビジネスで成功するために必要なこと』に続きます。


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成功者の言うことを聞く前に確かめておくべきこと

ネットワークビジネスの特徴的な思想である“成功者崇拝”は、
「成功者は成功の仕方を知っている。だから成功したければ成功者から成功の仕方を学ぶべき。」
という素朴な信念に基づいています。(参考記事

しかしネットワークビジネスの仕組みを詳細に検討していくと、この信念は決して自明のものでは無いことが分かります。成功者の言うことを聞くことが意味を持つためには、少なくとも以下の条件を検討しておく必要があるからです。

①その人は成功者なのか?
成功者の定義は人ぞれぞれでしょうが、少なくともネットワークビジネスで謳われる成功は多額の収入(と自由な時間)です。収入の目安はおおよそタイトルで測ることができますが、成功者であるとみなされているディストリビューターであっても、実際にはタイトルを落としている、すなわち収入を減らしていることが頻繁にあり、その立場は不安定です(参考記事1参考記事2)。
成功者を名乗っている、あるいは周りから成功者だと言われているその人は本当に成功者なのか、まずはこの点を確認しておく必要があります。

②その人は成功の仕方を知っているのか?
たとえその人が実際に成功者であるとしても、成功の仕方を知っているとは限りません。
ネットワークビジネスは日本に上陸してから数十年もの月日が経っています。その間に、法律による規制とインターネットの普及という大きな環境変化が起き、勧誘効率は著しく低下しています(参考記事)。
ニュースキンビジネスで言うと、明らかに成功者だと言えるディストリビューター達は上記の変化が起こる前にビジネスを開始した人たちです(参考記事)。その時期の成功者たちが、現在に通用する具体的な成功ノウハウを持っている可能性は低いでしょう。

③その人は成功の仕方を教えてくれるのか?
たとえ成功者が成功の仕方を知っているとしても“あなた”に成功の仕方を教えてくれているとは限りません。
そもそも成功者はなぜあなたに無償で成功の仕方を教えてくれるのでしょうか?
それは自分自身の成功を維持したいからです(参考記事)。成功を維持するためにはダウンラインに成功してもらうことが一番いいのはもちろんですが、そう簡単ではありません。現実的にはたとえ成功しなくても、ビジネスを辞めずに続けてもらう人が多数いるだけでも自分自身の成功は維持できるのです。
つまり、成功者は自分の成功を維持するために、成功する見込みの無い人であっても出来るだけ長くビジネスを続けさせようとするものなのです。ですから成功の仕方を教えてくれるのではなく、ビジネスを続けさせることを優先している可能性について敏感になるべきでしょう。

④その人の成功の仕方を実行できるのか?
たとえ成功者があなたに成功の仕方を教えてくれるとしてもあなたにそれを実行できるとは限りません。
たとえば「1日3人へのビジネス提案を1年間続けられれば成功できる」と言われて実行できる人がどれほどいるでしょうか。極端な例に聞こえるかもしれませんが、実際にこのような武勇伝を語るリーダーもいます。もともとアプローチ可能な人脈が多く、活動資金や時間を持ち合わせている人でなければ難しいでしょう。また、高いコミュニケーション能力や人間的魅力等、努力では補いづらい素養が求められることもあります。
自分自身が実行に移せない成功の仕方を教えられたとしても、意味は無いでしょう。

⑤その成功は自分の目指す成功なのか?
ネットワークビジネスでは成功できるかどうかが議論の焦点になりがちですが、成功の在り方について予めイメージしておくことが極めて重要です。
ネットワークビジネスで成功を成し遂げるためには、多数のダウンラインで構成されるグループをつくる必要がありますが、メンバーのほとんどは成功することはありません(参考記事)。
中には借金を背負ったり、人間関係を損ねる等、このビジネスに携わったことで不幸になる人も出てくるかもしれません(参考記事)。
自分自身の成功のためには仕方がない、あるいは自分のグループではそのような人は出さない、いずれかの確信を前もって持っておく必要があるでしょう。いったん成功者になってからでは後戻りできないのですから。

④はどのような世界で成功しようとしても言えることですが、残りの①②③⑤についてはネットワークビジネス独自の条件といっていいでしょう。いずれにしても目の前の人に“成功の仕方を教えてあげよう”と言われた時には、少なくともこれだけの条件を検討し、解決しておく必要があるのです。


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選民思想と成功者崇拝③

ネットワークビジネスでは成功者崇拝という強い表現に違和感を覚えないほど、成功者に対する盲目的な信頼や献身が見られます。

それは「成功者は成功の仕方を知っている。だから成功者から成功の仕方を学ぶべき。」
という一見素朴な理屈から始まります。

しかし、それはやがて、
「とにかく一から十まで成功者の言う事を素直に聞いて、真似をするのが成功への近道である。」
という成功者を全人格的に肯定する傾向を強めていきます。

例えばアムウェイのディストリビューター達の間では世界一のディストリビューターである中島薫氏は神格化されています。それは中島氏の誕生日である3月7日にあやかり、37という数字が聖数として扱われ、車のナンバーなどにもこぞって使われるほどです。
ゲン担ぎの一種だと言ってしまえばそれまでですが、通常の組織ではほとんど見られない傾向であり、明らかに宗教的な雰囲気を感じさせます。

このような宗教性が社会に対する反感を吸収すると、
「一般人は成功の仕方を知らないし、成功者を妬むことさえある。だから一般人のいう事など聞いても無意味だ。」
といった選民思想の傾向が加わってきます。

特にセミナーなどでやり玉に挙がりやすいのがサラリーマンです。将来に対する危機意識が薄く、雇われた状態に満足している退屈な存在だと貶められる一方で、ディストリビューターは先進的なビジネスに携わる経営者であると持ち上げられ、選民意識を刺激されます。

そして、その選民思想が行き過ぎ、歯止めが効かなくなるとカルト宗教と類似する反社会性を帯び(参考記事)、悪徳グループ(参考記事)として多数の被害者を生み出すことに成りかねないのです。


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選民思想と成功者崇拝②

選民思想と成功者崇拝①』ではネットワークビジネス組織の特徴として“社会から警戒されていることを正当化する組織文化”があり、その具体例として選民思想と成功者崇拝があることを示しました。

この選民思想を体現し、崇拝される対象である成功者として最も有名なのがアムウェイの中島薫氏でしょう。中島氏は世界歌謡祭でグランプリを受賞をした作曲家でしたが、1982年にアムウェイビジネスを始め、短期間で最高位を達成します。そして現在ではアムウェイだけでなく、世界で最も成功したディストリビューターとして知られています。

以下はアムウェイに関する研究論文の中で取り上げられている中島氏の発言の一部です。
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・だいたい人が何かしようとするときには、必ず外野から口を出してくる人がいるものです。「悪いことはいわないから、そんなものには手を出さないほうがいい」などと。
・外野はあくまで外野。あなたが困ったときに力を貸してくれるのかというと、絶対そんなことはありません。
・いま私は大成功し、ライフスタイルがすっかり変わりました。そのとたん、あのとき私にガタガタいった人たちがみんな「アムウェイを教えてくれ」といってきています。そんな人たちに自分の人生を振り回されたら、つまらないでしょう。
・何がダサイって、まだわからない先のことに不安を持つのが、いちばんダサイ。自分の人生は、自分だけのもの。夢を持って、自分の力でつくりあげていくぐらいの根性がないと、どうにもなりません。
・「できっこない」と思っている人は、たぶんできっこないのですが、「きっとできる」と信じている人は、夢をかなえるものなのです。
・ビジネスで伸びる人と、そうでない人の差は、何かに出会ったとき、何かを見たときの考え方のくせ、センスの違いだけ
出典:「アムウェイ問題を通してみる現代社会(6.3)

――――――――――――――――――――――――――――――

そして論文の著者は次のようなコメントを残しています。
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中島薫の強烈な積極思考や成功哲学とともに発せられているのは「アムウェイの素晴らしさを理解できない可哀想な人たちの言うことなど無視しろ」というメッセージである。そして「アムウェイを理解できる人は選ばれた人間である」とディストリビューターを持ち上げて一種の選民意識を抱かせる一方で、「反対派は感性が鈍くて、後ろ向きな生き方しかできないダサイ人間たち」と貶めることも忘れていない。
出典:「アムウェイ問題を通してみる現代社会(6.3)

――――――――――――――――――――――――――――――

これはアムウェイに限らず多くのネットワークビジネスに共通して見られる考え方であり、矛盾を解消するために組織的に作り出されてきた思想だと言えるでしょう。そしてこの思想が一般社会との溝を深め続ける悪循環の原因となっているのです。

選民思想と成功者崇拝③』に続きます。


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選民思想と成功者崇拝①

ネットワークビジネス組織の特殊性』ではネットワークビジネス組織の特徴として“社会から警戒されていることを正当化する組織文化”があることを挙げました。

この独特の文化について認知的不協和理論という心理学の世界の知見を借りながら説明してみましょう。
認知的不協和理論とは、『人間は矛盾する二つの認知(ものの見方)を持つことに不快を感じる。従ってその矛盾を除去し、和らげるようにどちらかの認知を変える。』というものです。(参考URL

有名な例として、イソップ童話の“すっぱいブドウ”という話があります。
木の上に美味しそうなブドウを見つけたキツネがそれを取ろうとしますが、高いところにあり届きません。諦めたキツネは去り際に「どうせすっぱいブドウに違いない」と捨て台詞を吐く、というものです。
つまり、「美味しそうなブドウがある」という認知と「それを食べられない自分がいる」という認知に矛盾を感じるため、それを解消するために「どうせすっぱいブドウに違いない」というふうに前者を変更させるわけです。それによってブドウを食べることのできない惨めな自分自身を納得させることができるのです。

この理論は人間の集まりである組織にも当てはまると考えられます。
先にも見ましたように、ネットワークビジネスはその仕組み上、常に社会との軋轢を起こします。ディストリビューターは警戒され、場合によっては拒絶される経験を繰り返します。(参考記事
これはかなり矛盾を感じる状態だと思われます。
なぜならセミナーやアップラインからは「素晴らしい商品を扱っている」「周りの人に幸せや成功するチャンスを伝えている」と教えられているのにも関わらず、実際には「警戒され、ときには批判され嫌われてしまう」わけですから。

そこで多くのネットワークビジネスでは、この矛盾を解消するために社会に対する認知(ものの見方)を変化させて、独特の思想や文化を練り上げてきました。
それが“選民思想”であり、それと対になる“成功者崇拝”です。

前者が「自分たちは先進的で可能性にあふれたビジネスを理解できる選ばれた人たちである。周りが批判するのはそれを理解できないからである。」
という考えで、
後者が「周りの批判にも関わらずこの素晴らしいビジネスを体現している成功者がいる。その真似をすれば成功できる。」
という考えです。

選民思想と成功者崇拝②』に続きます。


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ネットワークビジネス組織の特殊性

ディストリビューターと接したり、セミナーやラリーに参加した事がある人なら実感していると思いますが、ネットワークビジネスには通常の企業・組織とはっきりと異なる雰囲気があります。
“ネットワークっぽい”と言える独特の雰囲気があるのです。

このブログではそれを“宗教っぽさ”としてディストリビューターへ与える精神的価値という視点から説明したことがありました(参考記事)が、今回は社会との関係性の視点から説明していきたいと思います。

ネットワークビジネスは新メンバーを仲間に引き込み続けなければ存続できません。ダウンラインの売上の一部が報酬となる「特定利益」という仕組みがネットワークビジネス(=連鎖販売取引)の成立要件だからです(参考記事)。

しかし一人一人のディストリビューターが勧誘できる人数には限界があります。ほとんどのディストリビューターは早々に限界に達してしまい、ビジネスから離脱します(参考記事)。

このようなネットワークビジネス組織と社会との関係を図で示すとこうなります。
組織循環図

つまりネットワークビジネスは新規勧誘と組織離脱の循環を高速度で繰り返す、人材流動の激しい業界なのです。
勧誘と離脱を高速度で繰り返していくと、社会と軋轢を起こし、警戒される一方で、組織としては新メンバーを勧誘し続けていかないと存続できないという、ある意味矛盾した状態に置かれます。

そうするとネットワークビジネス組織は自身の存続の必要性から、次のような性質を備えるようになります。組織進化を遂げてきたと言ってもいいでしょう。

①社会から警戒されていることを正当化する組織文化
②社会の監視の目をくぐり抜ける、強力な勧誘テクニック

これがネットワークビジネスの組織の持つ特殊性です。
選民思想と成功者崇拝①』に続きます。


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これからネットワークビジネスを始めて成功を得られるか?

ニュースキンで権利収入を得ている成功者たち』では、ニュースキンビジネスで権利収入を得ている成功者たちの共通点が、1993年のニュースキンジャパン創業当時にビジネスをスタートした事であることを示しました。
それではこれからニュースキンビジネスを始めるディストリビューターたちも同じように努力すれば20年後には同程度の成功を勝ち取れるのでしょうか。

結論から言うとニュースキンに限らず今からネットワークビジネスで成功を収めるのは極めて難しいでしょう。
なぜなら現在と当時の状況とは全く違うからです。ディストリビューターの成功に大きな影響を与える二つの環境変化が起きているからです。

一つ目は規制強化による勧誘効率の低下です。
ニュースキンジャパン創業当時の1993年の段階では、ニュースキンビジネスは連鎖販売取引(=マルチ商法)としての規制を受けていませんでした。なぜなら当時の訪問販売法では特定負担が20,000円以上でなければ連鎖販売取引の要件を満たさなかったからです。それが2001年には1円以上の特定負担が生じれば連鎖販売取引として規制対象になるという法律改正が生じました。
それ以降、ニュースキンビジネスのディストリビューター達は厳しい規制にさらされることになります。
それらの規制は例えば、勧誘に先だって社名を明らかにする事や再勧誘の禁止等を含み、勧誘効率を低下させる原因になっています。

二つ目がネットの普及による勧誘効率の低下です。
もともとネットワークビジネスは①創業直後の急激な成長、②その反動としての急落、そして③その後の微減という独特のライフサイクルを辿り(参考記事)、早い者勝ち的な側面が強い(参考記事)のですが、インターネットの存在はその性質を加速させます。
なぜなら口コミを中心とした勧誘手法がインターネットを活用したメールやSNS等で効率化される一方で、悪徳グループが引き起こす迷惑行為がネット上のあちこちにログとして蓄積されるからです。

総務省の「通信利用動向調査(64ページ)」では、平成24年末時点で60歳以上の国民の79.5%がインターネットを利用しています。ネットワークビジネスの中心的な勧誘対象となる20歳代~40歳代に限れば95%もの普及率になります。今や私達の生活において未知の組織や出来事に遭遇すると、まずインターネットで検索をかけるというのは常識になっています。インターネットでの悪評を目にした被勧誘者がビジネスメンバーにまで至る可能性は低いと言わざるを得ないでしょう。

下図は大手三社の売上推移とインターネットの普及率を時系列で示したものです。
売上高とネット普及率
※総務省「通信利用動向調査」から各年度における該当データを抜粋しています。

1990年代前半期のインターネットがほとんど普及していない時点では、アムウェイ社およびニュースキン社ともに業績を急速に拡大させています。しかし1990年代後半に入り、インターネットの普及が拡がり始めた途端に業績を急落させています。また後発のニューウェイズも創業直後の数年間は小さな山をつくるものの、これもまたすぐに業績を急落させています。

法律による規制とインターネットの普及、この二つの環境変化でネットワークビジネスにおける勧誘の難易度は著しく高まっており、成功確率はかなり低くなっていることは確かでしょう。逆に言うと20年前からビジネスを始めているディストリビューターの語る成功物語や成功ノウハウは、現役のディストリビューターには参考にならないと言っていいのです。


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ブラインド勧誘の見極め方(富裕層の特徴)

知り合いに富裕層向けのコンサルタントがいます。
相手にしている富裕層のほとんどは数億円以上の資産を持っている中小企業の経営者なのですが、彼が言うには、一般的な固定観念とは異なり、富裕層には次のような共通点があるそうです。

①生活は意外に質素で地味
富裕層は自分の資産がいつなんどき目減りするかもしれないことを自覚しているので、常日頃からムダな浪費は避けるようにしています。また、年を経るにつれてそもそも消費することに対する興味が薄くなってきているというところもあるそうです。

②お金を持っていることをひけらかさない
考えてみれば当たり前の事ですが、お金を持っていることを周りにアピールしても虚栄心を満足させる以上のメリットはありません。一方で無用なセールスや勧誘が増えるといったデメリットがありますし、場合によっては犯罪に巻き込まれる可能性すらあります。

③目に見えないものに投資する
端的に言うと教育や知識、経験を得ることに投資をするということです。教育格差が収入格差と比例するということは以前から言われています。また、高い水準の知識や経験こそが富を生み出す源泉だということを富裕層はよく理解しているのでしょう。

※下記のURLでも似たような分析がされています。
意外と地味?超富裕層の姿とは[後編]/ZUU-ONLINE

これらの観点から比較してみると、ネットワークビジネスのリーダー達の行動パターンはかなり特殊です。派手な生活や豪華な食事、海外旅行を満喫している様子をこれみよがしにアピールします。また、外車やタワーマンション等、形のある物、富を象徴する物を所有することにこだわる傾向があります。

もちろんその理由はネットワークビジネスでは新たな参加者すなわちダウンラインを勧誘・維持する必要があるからです。新たな勧誘を成功させるためには、勧誘しようとする自分自身が富裕層であり成功者であるという事を示さなければ説得力が無い、という理屈が自然とそういった行動を取らせるのでしょう。

逆に言うと、自分の方からお金をもっている事をアピールしながら接近してくる人や集団がいれば、それはネットワークビジネスの勧誘の可能性が高いという事を言うことができ、ブラインド勧誘を判別する一つの目安になるでしょう。

もっとも、ネットワークビジネスでも開業初期にビジネスを始め、権利収入に近い組織を構築した極一部の成功者になれば、自分の代わりに勧誘活動をしてくれる人がいるため、目立つメリットよりもデメリットの方が大きくなり、一般的な富裕層に近い行動パターンになるようです。


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“市場は飽和している”は正しいか?

ネットワークビジネスのディストリビューターがよく用いる言葉に“飽和している”というものがあります。
例えば“日本市場(または○○社)は飽和している”といった使われ方をし、その後に“でも私たちの会社(またはグループ)は伸びているから大丈夫”というふうに続きます。

実際、日本のネットワークビジネス市場はここ数年横ばいになっています。
※以下、月間ネットワークビジネス社調べ
10,597億円(2011年)/9,504億円(2012年)/9,171億円(2013年)/9,260億円(2014年)
市場規模(2011年)市場規模(2012年)市場規模(2013年)市場規模(2014年)

同様にアムウェイやニュースキンジャパン等の大手ネットワークビジネス社の売上高も微増微減を繰り返しています。
売上高推移


しかし、ネットワークビジネスにおいて売上高が横ばいになっている状態を表現するのに飽和という言葉は適切ではありません。

飽和という言葉には、市場拡大が落ち着き、営業活動も一段落し、一定数の愛用者が継続的に購入し続けるというような“静的で安定的”なイメージがあります。
しかしネットワークビジネスは本来的に“動的で不安定”なビジネスです。末端にいるダウンラインは常に新規参加者を勧誘し続けなければなりません。ほとんど全てのディストリビューターはダウンラインの活動によって得られるボーナス(=特定利益)に魅力を感じてこのビジネスに新規参入するのです。したがって新規の参加者が思うように勧誘できないと、参加し続ける意味もなくなり、組織は末端から崩れていきます。
つまり、ネットワークビジネスは基本的に組織が拡大するか崩壊するか、どちらかを指向するものなのです。

このような特性にも関わらず売上高が横ばいになっているというのは、ある会社は新規参加者を得ているがある会社は組織が崩壊している、あるいはあるグループは新規参加者を得ているがあるグループは組織が崩壊している、といった状態であることを意味しているのです。
 
つまり、全体でみたときに“たまたま”新規加入者と脱会者が同程度の規模になっている事を意味しているだけであって、決して飽和状態にあるわけでは無いのです。


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悪徳グループは良心的グループを駆逐する

経済の世界で使われる言葉に「悪貨は良貨を駆逐する」というものがあります。
もともとは金本位制の時代における経済学者の言葉で、“実質価値の高い貨幣、すなわち純度の高い貨幣は所有者が市場に流通させないようにする結果、実質価値の低い貨幣ばかりが市場に出回る状態”のことを言います。
これが今では転用されて、悪人がはびこる治安の悪い状態を表現するのに使います。

実はこの言葉がかなりの程度でネットワークビジネスにもあてはまります。
もともとネットワークビジネスへの参加者にはいろいろな人たちがいます。特別な条件無しに誰もが参加できるのがネットワークビジネスの特徴の一つでもあるからです。
もちろん、その中には法律を遵守し、無理なく製品を広め、適切な報酬を獲得している良心的な個人・グループがいます。しかし、一方で法律を犯し、多額の借金等をしてしまう犠牲者を生み出している悪徳グループも確実に存在します。(参考記事

良心的に活動している個人やグループの方は、一部の悪徳グループのせいで会社の評判が悪くなり、ビジネス活動がやりにくくなっている、と納得のいかない思いをされているかもしれません。
確かにネット社会では一部の悪徳行為が広く、大きく伝わってしまうという側面はあります。
しかしそれ以前の問題として理解しておくべきなのは、ネットワークビジネスでは悪徳グループは一部ではなく、かなり大きな割合を占めるという事なのです。

なぜなら悪徳グループはビジネスメンバーの勧誘を急がせる傾向がありますが、ネットワークビジネスの仕組み上、勧誘速度の差はメンバーの人数差を拡大するからです。

たとえばビジネスをスタートした翌月にLOIを申請させ、同じようなビジネス志向のメンバーを毎月のように勧誘することを推奨するグループを想定してみましょう。いわゆるLOI連鎖推奨の悪徳グループです。(参考記事
その対極としてビジネスをスタートして半年間は愛用者を開拓し、24万円以上の売上を確保してからLOIを申請し、その後にビジネスメンバーを勧誘する良心的グループを想定します。
そしてその中間にグループA(2ヶ月毎に勧誘)とグループB(3ヶ月毎に勧誘)を置きます。

この4つのグループが1年後どのように組織を拡大していくのかを結果を示したのが下の図になります。
組織拡大

一目すれば分かるように、悪徳グループと良心的グループでは1年間でグループの規模に1000:1もの差がついてしまいます。これが指数計算の威力です(参考記事)。
もちろんあくまで理論上の計算ですので、実際にこのようなスピードで組織拡大するようなことは考えられません。とは言え、ちょっとした勧誘速度の差がグループの規模に大きな影響を与えるということは間違いありません。
その仕組み上、悪徳グループが相当な割合を占め、良心的グループがどんどん割を食ってしまうのがネットワークビジネスの世界なのです。


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プロフィール

ゆんた

Author:ゆんた
経営コンサルタントの管理人がニュースキン(Nu skin)やアムウェイ(Amway)を始めとするネットワークビジネス、マルチ商法、マルチレベルマーケティング、MLMの仕組みを解き明かします。

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