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ディストリビューターが借金をしてしまう理由

元チームエリートの告白』では元ニュースキンディストリビューターであるみれいさんの投稿について紹介しました。

みれいさんは買い込み(参考記事)によってチームエリートを達成するものの、結局400万円の貯金を使い果たしたばかりか、さらに300万円の借金を背負ってしまい最終的には自己破産してしまいます。
常識的に考えるとビジネスとはお金を稼ぐのはずのものです。それがあべこべに貯金を使い果たし、借金をするところにまで至った理由はどこにあるのでしょうか。

何が彼女をそのような行動に向けさせたのか、投稿内容を分析してみましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――
(リーダーの越本氏は)毎回ミーティングで、BDになります、とかルビーカウント入りますとかコミットメントさせるんです。コミットメントしない人は、単なるユーザー要員で目をかけてもらえなくなるため、上昇志向のまじめな人ほどコミットメントしてましたね。それを何がなんでもやりきれよ、という圧力はすごかったですね。自分が何のためにやりたいのか、またカウントを入れるにはLOIを出す人の気持ちやタイミングがあると思いますが、それはお構いなしで、越本さんに認められたいという気持ちだけでみんな動いていました。
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この投稿におけるキーワードは“コミットメント”です。
コミットメントという言葉は日産のカルロスゴーンがコミットメント経営を標榜したことで話題になりましたが、「目標を明言して、それを守る(守らせる)」経営手法です。

コミットメントはそれを口にする者の心理に強い影響を与えます。
なぜなら誰もが「口にした事は守りたい」と考えるからです。
より正確に言うと「口にしたことは守る人だと思われたい」と考えるからです。
これはディストリビューターが陥りやすい「エゴの防御」の一種だと言えます(参考記事)。

特に誰もが尊敬するリーダーに対して行うコミットメントは強烈なプレッシャーがかかるでしょうし、逆にそれを達成してリーダーから認められることほど人のプライドをくすぐる事はそう無いでしょう。

しかしネットワークビジネスでコミットメントの手法を用いるのは危険です。
なぜならネットワークビジネスは個人事業主の集まりであり、取扱い商品は日用品が主となるので、いざとなれば自腹を切ること(=買い込み)によってコミットメントを達成できてしまうのです。みれいさんのケースはまさにそのパターンに当てはまります。
また、ネットワークビジネスでは“成功者の真似をせよ”というのが基本的な行動原理です。一部のセミナー等で見られる極端な成功哲学や根性論などで舞い上がったディストリビューター達による無理目なコミットメントが連鎖すると、自腹の連鎖が起きてしまい被害が拡大してしまうのです。


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ディストリビューターが辞められない理由(エゴの防御)

ディストリビューターが辞められない理由(サンクコストの錯覚)』と『ディストリビューターが辞められない理由(後悔の予期・計画の完了)』では、立場固定(最初の決断を正当化しようとすること)の理論をもとに、成功にはほど遠いディストリビューターがなかなか辞めることができない理由を見てきました。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
(2014/01/10)
アダム グラント

商品詳細を見る

その中では、
「せっかく投資したのだからもったいない」
「この投資にもう一度チャンスを与えなかったことを、将来、後悔するのではないだろうか」
「もう少し投資を続けたら、きっとこの計画を完了できる」
といった心理状態が作用することを見てきました。

しかし筆者によると上記の三つよりもさらに強い心理的要因があります。
それは“エゴの防御”です。
つまり
「この投資を成功させることができれば、私が正しかったことを自分自身にも他人にも認めさせることができるに違いない」
というふうに考える心理状態のことです。

そして具体例として銀行員の例が挙げられています。
――――――――――――――――――――――――――――――
(経済学者の)ストーのある調査に、カリフォルニア銀行の顧客がローンを返済できなくなった際、もともと貸付を担当したマネジャーがなかなか損失を計上できなかったという事例がある。「結果的に不良貸付を行ってしまった銀行員は、この貸付がもたらすリスクや、債務不履行になる可能性をなかなか認めることができない」と、ストーと同僚は書いている。(中略)
新しいマネジャーには、不良貸付に対する個人的な責任がなかったので、彼のエゴが傷つくことはなかった。「自分の当初の判断は間違ってはいなかった」などと、むりやり自分を正当化する必要がなかったからだ。
『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代(P189)/アダム・グラント/三笠書房』

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“自分の失敗を認めたくない”という、ある意味人間的で想像しやすい心理状態です。

この考え方はネットワークビジネスのディストリビューターにもほとんど同じように当てはまるでしょう。
ネットワークビジネスは世間的な風当たりが強いため、ほとんどの人は身内から反対されます。また、勧誘活動を行っていく中では、真正面から否定してくる人もいるでしょうし、中には馬鹿にするような言動を取る人もいるかもしれません。そういった人達の声を押し切ってビジネスを続けたとしても、確率的にみても成功と言えるほどの収入を得ることができる人はほとんどいません。

しかし、簡単にビジネスを辞めてしまうことは上記の反対者達に対して自分が間違っていたことを認める、すなわち“エゴを傷つける”ことになるのです。これがディストリビューター、特に自尊心の高い人達には耐えられないのです。そこで、エゴを防御するために、ずるずるとビジネスを続けてしまう、これがディストリビューターの心理メカニズムであり、なかなか辞められない最大の理由なのです。


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ディストリビューターが辞められない理由(後悔の予期・計画の完了)

ネットワークビジネスのディストリビューターの心理分を析する上で参考になる書籍を紹介します。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
(2014/01/10)
アダム グラント

商品詳細を見る

著者のアダム・グラントはビジネススクールウォートン校で教鞭をとり、学校史上最年少で終身教授になったという組織心理学の研究者です。同書では、人間のタイプをテイカー(他人に与えるよりも得ようとする人)、ギバー(他人から得ようとするより与えようとする人)、マッチャー(得る事と与えることのバランスを取ろうとする人)に分け、どのタイプが最終的に成功しやすいのかを様々な角度から議論しています。

同書の主要テーマに関わる詳細について興味のある方は実際に入手して確認して頂ければと思いますが、同書の中には“立場固定(最初の決断を正当化しようとすること)”に関する興味ぶかい議論が展開されており、これがネットワークビジネスのディストリビューターの行動を分析する上で非常に参考になります。

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過去四十年間にわたりストーが実施した徹底的な調査では、時間、エネルギーもしくは資源を初期投資すると、それがうまくいかなくなっても、さらに投資しようとすることが明らかになっている。負けが込んだギャンブラーは、ポーカーをもう一手やりさえすれば、負けを取り戻せるばかりか、あわよくば大儲けできると思うし、苦戦する起業家は、会社にもう少しテコ入れすれば、経営を好転させられるはずだと考える。
『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代(P188)/アダム・グラント/三笠書房』

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先日記事にした“サンクコストの錯覚”についての説明になります。(参考記事

しかし、著者は続けて次のように言います。
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ミシガン州立大学の研究者は、立場固定(最初の決断を正当化しようとすること)に関する166の調査を分析し、それがなぜ、そしていつ起きるのかを突き止めようとした。その結果埋没コストも多少は影響を与えており、意志決定者は過去に行った投資に判断を歪められることが判明した。
だがそれよりも、ほかの三つの要因のほうが強力だったのである。
『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代(P188)/アダム・グラント/三笠書房』

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“サンクコストの錯覚”よりも強い影響を与える心理的な要因が三つあると言うのです。

その一つは“後悔の予期”です。
つまり、この投資にもう一度チャンスを与えなかったことを、将来、後悔するのではないだろうか、とふうに考えてしまう心理のことです。
特にネットワークビジネスでは仲間と一緒にビジネス活動を行うことが普通ですので、自分が辞めた後も活動(=投資)を続けている仲間が成功することを想像すると、なかなか辞めるまでの踏ん切りをつけられないのかもしれません。

もう一つは“計画の完了”です。
こちらは、もう少し投資を続けたら、きっとこの計画を完了できる、と考えてしまう心理のことです。
ネットワークビジネスでも、なまじ成功に近づくような体験があったりすると、それにしばられ「もう少し、もう少し」というふうに考えてしまうかもしれません。

しかし同書によるとこれらよりももっと強い影響を与える心理的な要因があるのです。
ディストリビューターが辞められない理由(エゴの防御)』に続きます。


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ディストリビューターが辞められない理由(サンクコストの錯覚)

たとえ悪徳グループに所属し、客観的に見て金銭的被害を受けている状態であっても、活動を辞めようとしないディストリビューターは大勢います。そのような状態にあるディストリビューターを外の人間が説得して辞めさせようとするのはかなり難しいとも言われています。
マインドコントロールされているからだと言ってしまえばそれまでですが、このようなディストリビューターの心理を経済学の考え方を用いることで理解を深めることができます。

経済学の重要コンセプトの一つにサンクコスト(埋没費用)というものがあります。
サンクコストとは取り返しのきかない費用のことで、金銭的な投資はもちろん時間や人間関係などのリソース全般が含まれます。
そして、サンクコストの錯覚とは、この取り返しがきかない費用に意思決定を左右されることの事を言います。
分かり易く言うと、「せっかくここまでがんばって来たのだから取り返したい」というふうに考える心理のことです。この心理的傾向が悪徳グループに所属している多くのディストリビューターにも当てはまると考えられます。

多くのネットワークビジネスのディストリビューター達は、アップラインの勧誘によって気軽にビジネスをスタートするのでしょうが、すぐにこのビジネスには大きなコスト(犠牲)を伴うことに気がつくはずです。
ほとんどの場合は身内からの反対を受けますし、縁を切ってくる知人もいます。買い込み連鎖に巻き込まれる場合には、“先行投資”と称する多額の製品購入を余儀なくされます。思うように結果が出ないとあっという間に投資額が膨らみます。
そうやって失ってしまったものが多くなるほど、取り返したいという気持ちが強くなり、辞めるタイミングを掴めない心理がサンクコストの錯覚です。

しかし、経済学が教えるところでは、十分なリターンを得られないと分かった時点ですぐにその活動を辞めるのが合理的な判断なのです。なぜなら、すでに終わってしまった事は何をしても取り返せないのですから、過去の結果を未来の意思決定に影響させてはいけないのです。

一つ具体例を見てみましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――
2時間の映画のチケットを1800円で購入したとする。映画館に入場し、映画を見始めた。10分後に映画が余りにもつまらないことが判明した場合に、映画を見続けるべきか、それとも途中で映画館を退出して、残りの時間を有効に使うべきかが問題となる。
映画を見続けた場合:チケット代1800円と上映時間の2時間を失う。
映画を見るのを途中で止めた場合:チケット代1800円と退出までの上映時間の10分間は失うが、残った時間の1時間50分を有効に使うことができる。
この場合、チケット代1800円とつまらないと感じるまでの10分が埋没費用である。この埋没費用は、上記のどちらの選択肢を選んだとしても回収できない費用である。したがって、時間を浪費してまで、つまらないと感じる映画を見続けることは経済学的に合理的な選択ではない。途中で退出して残りの時間を有効に使うことが経済学的に合理的な選択である。しかし、多くの人は「払った1800円がもったいない。元を取らなければ。」などと考え、つまらない映画を見続けることによって時間を浪費してしまいがちである。
Wikipedia」より

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ネットワークビジネスの場合でも同様に、たとえ過去にどれほど時間や金銭を費やしていたとしても、取り返せる見込みが無さそうだと分かった時点でビジネスを辞めるべきなのです。

もっとも、なかなか理屈通りに割り切った行動を取れないのが人間心理です。メジャーデビューする見込みが無いと分かっていても音楽活動を辞められないバンドマンやDV男と関係を切れない女性がたくさんいるのもこの種の心理が働いていることが多いと思われます。そしてそこに経済的な合理性は無いのかもしれませんが、当人達の主観の中では一定の満足感を得ているのだと考えられます。

しかしディストリビューターは経営者です。経営者は熱い想いと冷静な判断を併せ持ちながら結果を出すべき存在です。気持ちだけが先行し、合理的な判断基準なしでコストを費やし続けているとすれば、それはもはやビジネスではなく、趣味やサークル活動と言うべきものでしょう。


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プロフィール

ゆんた

Author:ゆんた
経営コンサルタントの管理人がニュースキン(Nu skin)やアムウェイ(Amway)を始めとするネットワークビジネス、マルチ商法、マルチレベルマーケティング、MLMの仕組みを解き明かします。

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