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ネットワークビジネスと社会主義の類似

ネットワークビジネスは社会主義とよく似ている。
両方とも崇高な理念を持った社会システムではある。しかしその理念とは裏腹に現実には多くの不幸を生み出してきた。

社会主義はカール・マルクスによって構想された社会システムだ。
資本家と労働者間で格差を生み出す資本主義の矛盾を解決し、平等な社会をつくるという崇高な理念を抱いていた。

社会主義の基本的な考え方は次の通りだ。
まず、革命を起こすことによって政権をとる。そして私有財産制を否定し、土地や工場などの生産手段を国有化することで、社会から資本家という存在を無くす。その上で官僚たちによる計画経済によって国家を運営する。つまり「何」を「どれだけ」作るか、また「価格をいくらにするか」といったことを政府が決定する。これにより財やサービスを最適な時に最適な量だけ届けることができ、格差はもとより、倒産や失業問題等の問題も解決するはずだと考えられていた。

しかし結果的に社会主義は平等な社会をつくるという理想を実現することはできなかった。
それどころか世界各地に独裁者を生み出し、大量虐殺も誘発した。世界史上に残る大量虐殺の大半は社会主義国の内部で起きている。
最大の社会主義国だったソビエト連邦は崩壊したし、共産党支配による社会主義国の体をとっている中国も実質的には資本主義国だと言っていい。

社会主義の失敗の原因は、いくつかの虚構を前提として理論を組み立てていたことだ。
まず「合理的に生産計画を立てることができる」これが間違いだった。
如何に優秀な官僚達であっても、生産能力や需給を正確に見通し、最適な生産計画など立てることなどできない。なぜなら、現実世界は極めて多様な要素が複合的につながっており、その動きを予測することなど不可能だからだ。
また「計画を与えられた人が言われた通りに働く」というのも違っていた。
なぜなら富が平等に配分されることが予め決まっているのであれば、手を抜いた方が得だと考えるのが人間の本性だからだ。その結果、社会主義国ではどんどん生産性が下がり、十分な食料も供給できず飢饉も発生した。
ついでに言うと「官僚は常に国民のために奉仕する」これも幻想だった。
抑制する仕組み無しに過大な権力を持たせてしまえば何者であれ腐敗する。ソビエト連邦のノーメンクラトゥーラでも中国の共産党でも、強大な権力を手にしたことで一般国民をかえりみず私腹を肥やすことに汲々とする官僚が大量に生まれてきた。

ネットワークビジネスも社会主義と似たようなところがある。
アムウェイ社なども明言しているが、ネットワークビジネスは「全ての人に成功のチャンスを与える」という崇高な理念を標榜している。努力しさえすれば誰がいつスタートしても成功できると言い切る。そして、そのための仕組みとして連鎖販売による報酬システムを導入している。

しかしそれは「市場が無限に存在する」という幻想を前提とした錯覚なのだ。
連鎖販売取引の仕組みの下で各々のディストリビューターが成功を目指そうとすると、その組織は必然的に指数関数的(ネズミ算式)な拡大を指向する。しかしそのような急激な拡大を受け入れる事が出来る市場は現実には存在せず、早晩飽和状態に達し破綻する。
破綻せずに数十年以上にわたって継続している会社があるように見えるのは、破綻するのが主宰会社ではなく、個人事業主であるディストリビューターであるため目立たないだけなのだ。
主宰会社は末端のディストリビューターを次々と入れ替えることで生き延びる事ができる。それはつまり人脈(そして時には資産を)消費し使い道がなくなった個人を切り捨て、新しい個人を勧誘して引き入れることだ。

その結果、一部の持つ者(主宰会社と初期にスタートしてうまくいった成功者)、そして大多数の持たざる者(苦い思い出を噛みしめる大多数の元ディストリビューターとそこに加わる可能性の高い現役ディストリビューター)で構成される極端な格差社会がつくられる。
その格差を逆に利用し、成功者を神格化することで組織の求心力を生み出し、何とか生き延びようと必死になっているのがほとんどのネットワークビジネスの現状だ。

結局、崇高な理念や理想論を語るだけでは現実を動かすことはもちろん、現実を理解することすら出来ないのだ。美辞麗句を纏ったその内側にどんな仕組みが存在し、それによって誰が利益を得ているのかを理解しなければ永遠に利用される側に居続けることになる。


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ネットワークビジネスとサイコパス

定量的なデータを示すことができる訳では無いのだが、ネットワークビジネスの組織特性について確信していることが一つある。
それはある特徴を持った人が他の組織よりも成功しやすいであろうという事だ。

この議論の前提として、理解しておくべきなのは、どんな領域であれ、その世界の仕組みを最大限活かすことができる者が成功できる可能性が高くなるという事だ。
それをネットワークビジネスの世界に当てはめて言えば、
「ダウンラインを増やすほど自分自身の収入が増える」
という仕組みを最大限活かすことができるかどうかにかかってくる。

それは率直に言ってしまえば、
“いかに多くの人をその気にさせる事ができるか”という事に尽きる。
その際、自分が勧誘しようとしている人が失敗してしまう可能性を気にする必要はない。たとえ借金をしようが、離婚をしようが、勤め先を辞めてしまおうが関係ない。
なぜならネットワークビジネスではディストリビューター一人一人は個人事業主なので、
「ダウンラインの失敗に対する責任を取る必要はない」
からだ。
むしろ会う人会う人に対して予断などは持たずに平坦な気持ちで勧誘に臨む方が効率的だし、長続きするだろう(参考記事)。

いずれにしてもネットワークビジネスは指数計算の勢いで組織を拡大していこうとするのだから、自分のダウンラインのどこかは破綻する。成功すればするほどピラミッドが大きくなる(参考記事)のだから、その裾野で破綻する人は多くなる。金銭的に破綻するとは限らないが、少なくとも人脈が枯渇して行き詰る。
そもそも統計的に見ても成功と呼べるほどの収入を得られる者は1%にも満たないのだから、成功など出来やしないほとんどのダウンラインに対していちいち共感などしていたらきりがない。

とはいえ、人をその気にさせるためには人間的な魅力を備えている必要がある。それは頭の回転が速く、バイタリティがあるといった能力面に加えて、たとえばダウンラインが辛いときには一緒に泣いたり、成功したときには一緒に喜んだりするような人情的な側面も求められる。

つまり、ネットワークビジネスでは、
・他人を惹きつける人間的魅力を備えている
・他人に対する共感が薄い(無い)
というある意味で矛盾する性質を併せ持つ人が成功しやすいのだ。

このような人物像を表現する心理学の用語が、ここ最近広くメディアでも使われるようになってきた。
それは“サイコパス”だ。
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サイコパスはウィットに富み、明快な発言をする。愉快で、人を楽しませる会話もでき、機転のきいた賢い受け答えを用意していて、さらには説得力のある話で自分をすばらしい人間に見せることができる。(中略)彼らの驚くべき特徴は、もののみごとに良心が欠けているということだ。彼らが行うゲームは自己満足的で他人の犠牲の上に成り立っている。
『診断名サイコパス(P30)/ロバート・D・ヘア/ 早川書房』

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サイコパスという言葉は、メディアの影響で広く知られるようになり、一般的には猟奇的な殺人鬼といったイメージがついているようだ。しかしサイコパスは必ずしも殺人者とは限らないし、犯罪者とも限らない。むしろその大半は私たちの周りに何気なく潜んでいる一般人だ。
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一度も刑務所に入らないし、ほかの施設にも入らないサイコパスも多い。彼らは法を犯すこともなく、かなりうまくやっているように見える。弁護士として、医者として、精神科医として、学者として、傭兵として、警察官として、カルト教団のリーダーとして、軍人として、実業家として、作家として、芸術家として、エンターテイナーとして。(中略)学歴が高かったり、家系がよかったり、専門的な職種についていたり、環境がよかったりするおかげで、一見正常に見え、無難に欲しいものを手に入れている。ある解説者は、彼らのような人たちのことを“成功したサイコパス”と呼ぶ。
『診断名サイコパス(P232)/ロバート・D・ヘア/ 早川書房』

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通常の組織では上に立つ人間は下の者の責任を取る。業績はもちろん、法律違反や不祥事などを起こしても、管理責任を問われる。
しかしネットワークビジネスではそれがない。あらゆる感情操作の技術を駆使して、ビジネスを始めさせてしまえばいいし、ビジネスを続けさせればいい。辞める人が出来てきたら新しいターゲットに対して同じことを行えばいい。

そんな特性を持つネットワークビジネスは、サイコパス達にとって自身の特性を存分に発揮できる居心地のいい場所なのだ。


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私がネットワークビジネスをしないたった一つの理由②

私がネットワークビジネスをしないたった一つの理由①」の続きです。

ネットワークビジネス、すなわち連鎖販売取引という仕組みは、各々のディストリビューターが成功を目指して、新たなディストリビューターを勧誘しようとするため、指数関数的な拡大を指向する。しかし現実世界はそのような自己都合による拡大を受け入れる事は無く、早々に限界点に達する(参考記事)。

理屈の上では限界点に達した仕組みは破綻するはずだ。しかし、実際のところはネットワークビジネスの主宰会社が破綻するような事態はそうそう起きていない。数十年にも渡って継続している主宰会社も少なくない。

なぜなら破綻するのは主宰会社ではなくディストリビューターだからだ。
「個人」事業主であるディストリビューターの経営基盤は脆弱であり、容易に破綻する。個人が持っている人脈や資金等はたかがしれており、ほとんどの場合は収入を得る資格(エグゼクティブ等)を維持するための売上を確保することができずに行き詰る(参考記事)。

それに対して主宰会社は十分な経営基盤の下、破綻を免れるための様々な対策を講じている。特に最大のリスク要因であるディストリビューターとは個別に契約を結んでおり、破綻したディストリビューターの損害を負担したり、問題を起こしたディストリビューターの責任を取らずに済むように周到に法的な武装をしている。実際、ネットワークビジネス最大手のアムウェイ社はディストリビューターとの係争沙汰で負けたことはほとんど無いと言われている。だから、主宰会社は悪影響を及ぼすディストリビューターを切り離しながら、新しいディストリビューターを加えつつ、自分自身は生き伸びる。

個人のディストリビューターが生き残る道は自分自身が破綻してしまう前に、代わりに破綻するリスクを負ってくれる人を見つけて、自分自身の破綻を先送りすることだ。言い換えると自分の代わりに“勧誘という名の労働力”と“新たな人脈”を提供してくれる人を探すわけだ。
この状態を長期間にわたって維持できている人をネットワークビジネスの世界では成功者と呼ぶ。

成功者と呼ばれるリーダー達がなかなか引退しないのは、破綻したディストリビューターの代わりとなる人を常に補充していかないと組織が維持できない、すなわち自身の成功が維持できないという事を自覚しているからだ(参考記事)。

ただし、自ら新規のディストリビューターを勧誘し続けることで組織を維持している状態は、労働収入を得ていることにしかならず、ネットワークビジネスが目指す権利収入を手にしている成功者とは言えない。新しいディストリビューターを補充し、組織を維持する役割を持つリーダーを自分の傘下につくることが出来て始めて、自動的に収入が入ってくる権利収入に近い状態を享受できる。

もっとも一時的に権利収入のような状態を作り上げたとしても、組織への働きかけを放置していると、いずれ破綻の波が自分自身の身に及んでくる可能性がある。
アムウェイの中島薫や山崎拓巳などの成功者たちが未だにセミナーやラリーでの講演を続けているのは、このビジネスの本質を理解し、組織への働きかけを止める訳にはいかない事に気づいているからだと思う。

結局、この仕組みの下では一握りの成功者を維持するための大多数の失敗者の生産がいつまでも続いていく。つまり自分自身が成功者であり続けようとする限り、自分の傘下から不可避的に大多数の失敗者を生み出し続ける。そしてダウンラインであるディストリビューターの連日の勧誘、人脈の消耗、大量の製品の消費、資格維持のための買い込み、まさにそれこそが自分の成功を支える原資となる。

このようなビジネスの仕組みを理解した上で、どんな勧誘文句が成立するのか私には見当がつかない。そもそも私はこのような成功を求めないし、この状態を成功と呼べるようなものなのかも分からない。
だから私はネットワークビジネスをしていないし、今後することも無い。


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私がネットワークビジネスをしないたった一つの理由①

別の記事でも触れたことがあるが、私自身はネットワークビジネスをしたことはないし、過去に何度か勧誘された時にも断っている。
なぜならネットワークビジネスに携わることによるリスクやデメリットを重く考えているからだ。

ただし、それは「成功確率が低いから」ではない。
確かにネットワークビジネスは成功確率が低い。様々なデータを見ても大半のディストリビューターは僅かばかりの収入を取ることも出来ないし、成功者と言われる程の収入を得ることができるのは極めて少数の限られた者たちだけだ。実際、ネットワークビジネスのコンサルティングをしている横浜計算センターの調査によれば、94%が無報酬であり、月100万円以上の収入を得ているのは0.045%(約2,200人に一人)という結果が出ている(参考URL)。
しかし何事でもそうだが、成功できるかできないかは、その人の能力、意欲、または環境によるところが大きい。そのような条件を踏まえずに、平均的な指標である成功確率のみでビジネスに取り組むかどうかを判断する必要はない。もっと言えば、どんなに確率が低くても、それ以上のものが得られる可能性があれば、挑戦してみるのも悪くは無いと思っている。

また「借金をする可能性があるから」でもない。
そもそも事業を始めるにあたっては多かれ少なかれ初期投資が必要になる。金額の多寡はリスクとリターンの取り方よって変わってくるが、ネットワークビジネスも例外ではない。アップラインから嘘の説明を受けていたり、重要事項の説明を省かれていたりしていれば話は別だが、どの程度の資金を事業に注ぎ込むかを決めるのは自分自身だし、それによって損失を被ったとしても自己責任の範疇だ。
最初から自分自身でリスクを取る覚悟があれば、借金をする可能性などネットワークビジネスをしない理由にはならない。

あるいは「友だちをなくすから」でもない。
確かにネットワークビジネスをすると友達を無くすことがある。たとえ自分自身が強引な勧誘をしていなくても、いわゆるマルチ商法に携わっているというだけで嫌悪したり、疎遠にしてくる者は少なくないからだ。
過去の経緯や一部のグループの責任等、いろいろな考えや言い分はあるだろうが、現実に嫌われているのは間違いない(参考URL)。
もっとも、友だちを無くすのは悲しいことではあるが、誰とでもいつまでも友達でいられる訳では無い。お互いの成長や価値観の変化の中で友人関係が終わってしまうことはそう珍しいことではない。
これもやはりネットワークをしない理由にはならない。

誤解を恐れずに言えば「法律違反をしてしまう可能性があるから」でもない。
確かにネットワークビジネスは特定商取引法や薬事法を中心とする厳しい法規制に囲まれており、これらに全く抵触せずにビジネスに取り組むのは難しい。しかしそれを守り切れるかどうかは自分次第だし、守り切れないのであれば自分が悪いのだから相応の罰を受ける、それだけの事だ。
法律を守ることの難しさと罰則の重さを正確に認識してさえいればいいのだから、これもやはりネットワークビジネスをしない理由にはならない。

しかしそれでも私は、今後どれほど条件の良いネットワークビジネスを紹介されたとしても、ビジネスとして携わることは無いと断言できる。つまり愛用者として製品を買う事はあってもディストリビューターとしてビジネスメンバーを勧誘することは無い。

私がネットワークビジネスをしないのは、
「この仕組み(連鎖販売取引)のもとで成功するという事は失敗するダウンラインを生み出し続ける」
という事だと理解しているからだ。

私がネットワークビジネスをしないたった一つの理由②」に続きます。


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“アイスバケツチャレンジ”はネズミ講か?マルチ商法か?

アイス・バケツ・チャレンジ(アイス・ウォーター・チャレンジとも呼ばれている)という運動が一種の社会現象になっている。
ニュース記事:広がる「アイスバケツチャレンジ」とは何か? 難病へのチャリティに有名人たちが氷水をかぶる
難病の一つとして知られているALS(筋萎縮性側索硬化症)を周知し、寄付を募るための運動で、既にビル・ゲイツや孫正義、IPS細胞の山中教授といった錚々たる有名人達が参加しているのだ。

アイス・バケツ・チャレンジの運用ルールは、
――――――――――――――――――――――――――――――
①バケツに入った氷水を頭からかけている様子をSNS等で公開する
②次にやってもらいたい人を3人指名する
③指名された人は24時間以内に①を実行する
Wikipediaより抜粋・編集

――――――――――――――――――――――――――――――
以上を繰り返すというシンプルなものだ。

既に各所で指摘されているようにこの仕組みはネズミ講に似ている。
それはネズミ講を禁止する法律である無限連鎖講防止法で明記されている、
「連鎖して段階的に二以上の倍率をもって増加する」
という参加者を指数計算的に拡大させていく仕組みを持つからだ(参考記事)。
もっとも、同じく同法に規定されている“金品配当”という要素が無いため、ネズミ講そのものではない。
またネズミ講類似の仕組みを持つマルチ商法に似ているとも言われるが、これも厳密には違う。マルチ商法を規制する法律である特定商取引法で言うところの“特定利益=傘下の会員の売上に応じた報酬”に当たる部分が無いからだ(参考記事)。

アイス・バスケット・チャレンジが集めようとしてるものは金品でも報酬でもなく“注目”という資産だ。
注目は金になる。UU数やPV数等の指標は広告料金として換算されるし、商品を購入したり、寄付をしてくれる人を増やすことにつながる。だから市場を相手にするマーケター達はあの手この手で効率的に注目を集める方法を考える。

実際のところこの指数計算(ネズミ算)の原理を応用したアイス・バケツ・チャレンジという仕組みは大きな成果を出しつつある。ALSという難病についての知名度や理解度はあがった事だろうし、寄付金も増えているそうだ。そしてこれらの寄付金がALS治療に役立てられるのは素晴らしいことだ。

しかしこの仕組みは不可避的に副作用を伴う。
端的に言って、この運動で利益を得られるのは二種類の者達に限られる。一つが言うまでもなく主宰者だ。彼らは大した予算をかけずにALSへの知名度を高め、寄付を得ることができる。そしてもう一つが初期の参加者だ。彼らはアイス・バケツ・チャレンジの義務を引き受けることによって、先進的で社会的な試みに対して理解があるCoolな人物だという評価を得ることができる。

しかしそれは極一部の者達だけが味わえる特権だ。既にこの記事の投稿時の段階で辞退する有名人が出始め、批判的な意見もあちこちで上がっている。このような運動やパフォーマンスに偽善的な匂いを感じる人は常に一定の割合でいるものだ。そしてこの運動が拡大すればするほど、社会との軋轢は強まる(参考記事)。
このように市場の認知・理解が進んだ状態の中で指名された者たちの心境は複雑だろう。この運動が広く知れ渡った中、新鮮味の無い今更なパフォーマンスをしたところで得られるものは少ないし、断ろうにも指名者や世間体に気を使う。これほど面倒くさく、鬱陶しいことは無いだろう。そして、こういった人達が増えていけばいくほど、市場のネガティブな反応は加速していく。

これは同種の仕組みを持つマルチ商法(=ネットワークビジネス)が立ち上げ初期の一部の者しか儲からないのと全く同じ構造的な問題だ(参考記事)。
もっとも、マルチ商法は主宰者と個人事業主が営む事業という体をとっているが故に継続性を前提としている。簡単にその仕組みを終わらせることは出来ない。それに対してアイス・バケツ・チャレンジは単なるプロモーションだ。一時的な注目を集めるという目的を達成しさえすれば、必ずしも継続させる必要は無い。

だからアイス・バスケット・チャレンジの主宰者はこの運動を終わらせる期限を設定すべきだと思う(ひょっとしたら既にそのタイミングを計っているいるのかもしれないが)。そして指数計算の威力(参考記事)を考えると、その適切な時期は想像するよりも速いはずだ。そのタイミングを逸してしまえば、かえって悪評を広め、ALS支援活動に対する不信感を募らせることにも成りかねない。


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薬事法の制約

ネットワークビジネスの現役ディストリビューターは“日本では薬事法があるから勧誘がきつい”といったことをよく口にする。確かに薬事法ではサプリメント等の健康食品は医薬品のような効果効能を謳うことはできない。

そのこと自体は事実なのだろうが、経営的な視点に立ってみることで、別の可能性を考えてみることもできる。

仮に私がネットワークビジネス主宰会社の経営者であれば次のように発想するだろう。
「アピール出来ないものにコストをかけるのはムダだ。どうせ効果効能を謳えないのであれば、原価の高い成分を除いて売った方が利益が出る。そして薬事法に抵触しない範囲内でその魅力を最大限アピールする。プラシーボ効果で実際に効果を体感するディストリビューターも出るだろう。そうすればディストリビューターが自己判断・責任であれこれ宣伝してくれる。」

まあ、実際にはディストリビューターが暴走して不実の告知(オーバートーク)を行えば統括者(主宰会社)も罰則を受ける可能性があるし、品質が落ちると愛用者まで離反してしまうので決してスジのいい発想では無い。とは言え、ネットワークビジネスの主宰会社がどんな策を取ろうとディストリビューターを完全にコントロールすることは出来ないし、オーバートークの責任を取らされる可能性は常にある。そうであれば確実な成果が見込めるコスト削減を行った方がいい。こんなふうに考える経営者がいてもおかしくない。

ニュースキンビジネスで言うと、アメリカで売られているサプリと日本で売られているサプリは成分が異なると言われている。ディストリビューターに言わせると“薬事法で入れられる成分に制限があるから仕方ない”らしいが、上記のような経営的な視点を持つと見え方も変わってくる。

経営者はどんな悪条件も会社の利益や成長につなげようと試みるものだ。末端のディストリビューターも経営者を目指すのであれば、主宰会社の思惑を知っておいて損はない。


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「ネットの噂は嘘ばかり」

そんなふうな言い方で悪徳グループのリーダー達はダウンラインを統率しているようだが、極論すればネットの噂が本当なのか嘘なのかはビジネスには関係ない。
なぜなら市場というものは評判が全てだから。
厳しい言い方をすれば「ネットの噂は~」という発言は結局のところマーケティングの最も重要な要素である評判をマネジメントできない企業である事を白状しているだけ。

とは言え、実際のところをみても悪評の原因はオーバートークやマインドコントロール的手法にあるのは間違いない。
それが改善されない限り、評判は下がり続ける一方だろう。
そしてせっかく質の高い製品をリリースしたとしてもまともに評価すらさせてもらえない状態になっている。

ただし、このまま主宰会社が根本的な手を打たず、ディストリビューターの“意識改善”に任せているだけでは何も解決しないだろう。
なぜならディストリビューターは個人事業主の集まりであり、トップダウンのコントロールが効きにくい。そして、こういった“悪徳”手法はまがりなりにも短期的な結果が出てしまう。
そうなれば、どうしたって全体の評判が悪くなろうが、抜け駆けをしてオーバートークやマインドコントロールを行うグループは出てしまう。

そしてその構造を逆に利用しながら、一部とは言えない割合のグループが「一部の悪いグループがいて迷惑をしている」という“オーバートーク”を用いながら今日も勧誘を続けている訳だからややこしい。

いずれにしても「ダウンラインにネットの情報に触れさせない」というような策がいつまでも通用する訳が無い。
勧誘の際にはどうしても外の人間と接することになり、矛盾に対する気づきの機会が増える。
宗教のマインドコントロールと違って、お金が尽きてしまえば嫌でも目が覚める。
そして信じる気持ちが深いディストリビューターほど、目が覚めた時にはより強力なアンチとなって、市場に悪評を広めるのだから。

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経験者でなくても語れること

現役ディストリビューターと話をしている中で、「やってみてから言え」というような事を言われたことがある。ひょっとしたら、このブログの読者にも同様の感想を抱いている方もいるかもしれない。

確かに私はディストリビューター登録をしてはいるものの、ネットワークビジネスを経験したことは無い。だから正直なところディストリビューターが少ない可能性に賭けて成功を目指す気持ちは分からないし、検証無しにアップのいう事を信用する気持ちも分からない。

もちろん、それを良いとか悪いとか言うつもりは無い。人間が様々な判断基準を持つ複雑な存在だということぐらいは分かっている。

だから私はこのブログで自分が発言する領域を決めている。
『公開情報と正当性の認められている経営知識等を組み合わせて論理的に分析する』
この基準を充たしていると自分が納得できた内容について投稿している。

それでもかなりの事が言える。多分、ほとんどの経験者が気が付いていなかった事もこのブログでは明らかにしているという自信はある。

どの世界でもそうだ。
病気を経験しないと人の病気を治せないというのであれば、医者という職業は成立しない。
実務を経験しないと助言できないというのであれば、コンサルタントという職業は成立しない。
当事者たちに無い視点や知識があれば、価値は提供できる。

私はネットワークビジネスに対してどちらかと言うと悲観的な見解を持っているが、批判をしているつもりはない。分かりやすくこのビジネスの本質を表現し、ビジネスとしての特徴や問題点を分析しているだけ。

仮にそれらを明らかにされることでビジネス活動に悪影響が出るというような事があるとすれば、もともとその程度の価値しか社会に提供できていない事業モデルであり、会社だったということでしかない。


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ネットワークビジネスと原子力発電

突拍子もなく聞こえるかもしれないけれど、
ネットワークビジネスと原子力発電はよく似ているなあと思う。

両者とも爆発的なパワーを生み出す仕組み。
その力をうまく利用できれば莫大な利益を得ることができる。
でももちろんそれにはリスクを伴う。

「どっちも単なる仕組み、うまく利用すればいいだけ」
と言い切ってしまうにはそのリスクは大き過ぎる。
被害が起きたときの範囲が広い。

もし上に立つ人間に悪意があったら、その仕組みを制御することはできない。
たとえ悪意などなくても、現場でおこるヒューマンエラーの積み重ねで、簡単に過ちが生まれる。
参考記事

一人一人の良識でこの仕組みを制御するのは不可能に近い。
だから両者とも当局の厳しい規制を受けている。

そんな厳しい規制にも関わらず、懲りずに被害を出してきた過去があるから、なかなか社会から信用されず、いつまでたっても批判される。

いろいろ似ている両者だけど、大きな違いもある。
原子力発電はその仕組みから生み出された電力を多くの人が享受できる。
でもネットワークビジネスはその仕組みから生み出された利益を得るのはごく一部の成功者たちに限られる。


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プロフィール

ゆんた

Author:ゆんた
経営コンサルタントの管理人がニュースキン(Nu skin)やアムウェイ(Amway)を始めとするネットワークビジネス、マルチ商法、マルチレベルマーケティング、MLMの仕組みを解き明かします。

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